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ピーッという笛の合図に合わせて
一斉に殴り合いが始まる 。私も 、気怠そうに
していた紫耀の腹に一発食らわせた 。
平野「 かはっ 、、!!!!!」
『 … 本気で行くから 、手抜いてたら死ぬで 』
平野「 っ 、チッ 」
紫耀もようやく察したのか目の色付きが変わった 。
そして 、私の右肩めがけて飛んできた 。
ほんまに体力と瞬発力だけはええんやから 。
5分経っても 、どちらも互角だった 。
『 っはぁ 、なぁ紫耀 、』
平野「 っんだよ 、げほっ 、」
『 ここであたしに勝ったら 、
好きに喧嘩していいで 、笑 』
平野「 っ … 俺が 、負けたら 、?」
『 … もうその時すでに 、一生喧嘩
できない体になっとるか 、なっ!!!!』
平野「 っげほっ 、、、このっ 、!!!!」
『 っあ"っ 、、、っやるやんかっ 、、笑 』
目の前の紫耀にしか目がいかへんかった 。
目をそらしたら負ける 。
ギャラリーなんてもう知らへん 。
その時やった 。紫耀が私の腹めがけて
拳を振ろうとしとった 、このままじゃ負ける 。
スローモーションに見えた紫耀の腹に
私も同じように拳を振るった 。
それは 、紫耀が私に
拳を振るったのとほぼ同時やった 。
… 先に倒れたのは 、、、私やった 。
『 っ 、、、はっっ 、
げほっ 、無理 … ギブ 、』
平野「 っ 、、、はぁっ 、はぁっ 、」
私が膝から崩れ落ちて仰向けに
倒れたのと同時に 、ピピーッと笛が鳴った 。
みんなどちらかが倒れていたり 、
取っ組み合いをしていたりと色々やった 。
『 っげほっ 、はぁっ 、っぁーーー!!!
体なまっとったーーー!!!悔しッ!!!』
平野「 … ん 、(手を差し出す) 」
『 … ふはっ 、
なんやねん 、笑 (手を取って立ち上がる) 』
平野「 … 血繋がってないことには
驚いたけど 、別に 、あなたが姉で
嫌やったことなんてない … から 、」
『 … 紫耀ツンデレか!かわええな〜!!!』
平野「 っさい 、!!!」
『 ふふっ 、血繋がってなくても
紫耀が私の双子の弟であることには
変わりないで?ずっと好きやもん 笑 』
平野「 … 男に軽々しくそういうこと
言うなや 、ましてやもう血繋がってないし 、」
『 へ?』
平野「 なんもない 、!」
小瀧「 あなたっ!!!」
重岡「 あなたーーー!!!」
桐山「 あぁっ!顔に傷がぁー!」
『 もー 、お前ら来んな!うるさい!笑 』
傷だらけでボロボロな私に駆け寄ってくる
西の人たち 。うるさいねんこいつら (笑)
そんな彼らと私のやりとりを
紫耀は微笑ましく見とった 。
そして 、これで全競技が終了したのだった 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!