翔side
潤の家族は、本当に優しい人ばかりだ。(*´∀`)♪
お母さんは、自分の子どもがニンゲンのおれと手を繋ぎながら帰ってきたというのに、笑顔で迎えてくれた。ごはんだって用意してくれたし、このマクラだって潤のお母さんが持ってきてくれたものだ。
そして今も、お風呂の準備をしてくれている途中だ。
潤のお姉さんは、おれを潤と双子の弟みたいに可愛がってくれた。それに、潤が覚えていないような小さい頃のお話をおれに聞かせてくれた。おれには妹はいるけど姉はいないから、初めて姉と弟の会話みたいなことをできて嬉しかった。
潤は、いつもこんな優しい2人に守られながら生活してるんだなぁ…
潤ママ「翔くーん!潤ー!お風呂沸いたよー!」
潤「はーい!」
潤「翔くん、先に入っておいで。ボクはもうちょっと勉強するよ。そろそろテストなんだ…(・ω・;)」
翔「うん!勉強頑張ってね!」
潤「うん!」
潤の家のお風呂は、広く快適な場所だった。
家の古いお風呂とは大違いだな…(笑)
………こうして、たまにお家のことが恋しくなる。
でも、まだここにいたい。この森に、村に、潤のそばにいたい。
嫌な気持ちを、汚れと一緒にお湯で流した。
その日の夜は、潤と同じベッドで眠った。潤の手を握って、潤を抱きしめながら。
ずっと、このままでいられたらな………
潤side
潤「翔くん、起きて」
翔「んー………おはよう、潤…………と小鳥さん」
チュンチュン🐦
潤「今日は、朝ごはん食べたら一緒に村の中に遊びに行こうね」
翔「え、でも、学校はどうするの?」
潤「大丈夫、今日は午後からだから^^」
翔「そっか(*´▽`*)」
潤ママ「潤、翔くん、おはよう。ごはんできてるよ」
潤と翔「「おはよう(ございます)(o^^o)」」
潤ママ「翔くん、今日は潤が午後からいないから、潤のお友だちと遊んできな?」
翔「え…?ねぇねぇ潤、潤のお友だちって…」
潤「うん、昨日話した子たちだよ(﹡ˆoˆ﹡)」
あの3人なら翔くんを預けても大丈夫。
潤「後で会いに行こうね(^^)」
翔「うん!」
潤「じゃあお母さん!翔くんと遊びに行ってくるね!」
潤ママ「はーい!気をつけてねー!( ^_^ )」
潤と翔「「行ってきます!」」
潤「じゃあ、まずはここから1番近くの川に行こう!」
翔「あっ!川ってことはあの釣りが好きな子のところ!?」
潤「そうだよ!智って言うんだ!」
潤「川についたよ。あっほら!あの子だよ」
翔「わぁ、眠そうだね(笑)」
潤「んふふ、そうでしょ(笑)」
潤「さーとーしー!(*´︶`*)ノ」
智「あ、潤。おはよう」
智「ん?後ろの子は?初めましてかな」
潤「ほら翔くん、智だよ」
翔「は、初めまして!潤のカレシです!」
智「おお!(笑)」
潤「ちょっ、翔くん(*¨*)」
翔「よろしくお願いします、智さん」
智「んはは、照れてる潤なんか久しぶりに見た。あと智呼びでいいよ。翔ちゃんはその姿から見るに…ニンゲンなのか?」
翔「うん。この森に一昨日迷い込んじゃったんだ」
智「ニンゲンなんていつぶりに見たっけ…。まあこの村に居ればとりあえず大丈夫だから、安心しな」
翔「うん!だって潤も潤のご家族もいるしね!」
潤「この村にはニンゲンのことを嫌うエルフはいないと思うけど、別の村ではいるかもしれないから…他の村のエルフたちが来たらどうしよう……」
翔「他の村のエルフが来る日なんてあるの?」
智「ああ、ちゃんとした日にちは決まってないがな。あっちでしか取れない食べ物とか材料とかを売りにくるんだ」
翔「へぇ…そうなんだ」
智「あ!かかったぞ」
翔「え?お魚?」
智「おう!」
潤「智は釣りのプロだからね。たまに釣ったお魚を貰ってごはんの時に食べたりするんだよ」
翔「いいなぁ、おれも智の釣ったお魚食べたい」
クルクルクルクル……(釣竿)
バッシャーン!🎣
翔「釣れた!川魚?」
潤「さすが智だね!(*´﹀`*)」
智「アユだな。せっかくだから翔ちゃんにやるよ」
翔「え!?いいの!?.。゚+.(・∀・)゚+.゚」
智「この魔法の水袋に入れときな。どんなデカい魚も入っちゃうんだ」
翔「そんな凄いもの、貰っちゃっていいの?」
智「全然大丈夫だ。知り合いの職人から買えばいいだけだし」
翔「ありがとう!(@^▽^@)」
潤「智、ボクからもありがとう。^^」
智「いやいやいいんだよ(✿´∀`)」
翔「そうだ!智は水の魔法が使えるって潤から聞いたよ!見せて見せて!」
潤「ボクも見たい!智の魔法はいつも綺麗なんだよ!」
智「はは、わかったよ」
智「ブツブツブツブツ……(呪文)」
潤と翔「「(ワクワク)」」
智「てやっ!」
智の手から放たれる、綺麗な水の波動。
水の塊を宙に浮かせ、円を描きながら思い思いに動かしていく…
水の上には、美しい7色の光が見える…
智(ブンッ)←作り出した水を消した
智「とまぁ、こんな感じだけど大丈夫かな?」
翔「すごい!スゴすぎるよ!あんなに大っきい水の塊を浮かせながら動かすなんて!」
潤「智の魔法、心が浄化されるの。ボクは大好きだよ(*´ω`*)」
翔「おれも!智かっこいい!」
智「んはは!ありがとな!(*´꒳`*)」
潤「じゃあ智、ボクと翔くんはそろそろ行くね」
智「おお!また来いよ^^」
潤と翔「「ばいばーい!」」
潤「次は、和也のところに行こうか。」
翔「和也くん?」
潤「うん。みんなはニノって呼んでるけどね」
翔「え?なんで?」
潤「本人が言うには…占いで前世がニンゲンの…アイドル?で二宮和也って名前だったらしいよ(笑)」
翔「へぇー!面白いね(笑)」
ニノの家についた。
ピンポーン🎵(インターホン)
……………
潤「あれ?」
翔「留守かな?」
もう一度…ピンポーン🎵
…………………………!!!
潤「ま〜たこれか!!!(笑)」
翔「え?」
潤「あ、翔くん。入っちゃって大丈夫だよ(笑)」
翔「いいの?」
潤「うん^^」
潤と翔「「おじゃましまーす」」
ニノ「いらっしゃ〜い(笑)」
潤「もう!イタズラ好きなんだから(-ε-*)」
ニノ「ははは、ごめんごめん。んで、そちらの子は?」
翔「あっ初めまして。潤のカレシの翔と言います」
潤「翔くん!恥ずかしいってば(/// ^///)」
ニノ「初めまして。潤のカレシだなんて面白そうな子だね(笑)」
ニノ「で、君はニンゲンなんでしょ?気配で分かるよ」
翔「どうも、二宮……さん?」
ニノ「あーニノでいいよ。うん」
潤「ニノ、急でごめんだけどお茶あるかな?喉乾いちゃった」
ニノ「ほいほい、ちょっと待ってねー」
翔「ニノって、光とか電気を操れるんだろ?」
潤「うん。そうだよ」
ニノ「ほいお待たせ。」
潤「ありがと」
ニノ「んで、聞きたいことあるんだけどさ、なんで翔ちゃんはこの森に来ちゃったの?」
翔「あ、単に迷子になってしまったんです」
ニノ「そっか…でもこの森はきまぐれだからね。同じ道を戻っても同じ景色が続くだけ。エルフでもたまに迷うときはあるけど、大体は気配を頼りにしてるんだ。森が変化すると一緒に変化する魔法地図があるけど、あれも複雑だからなぁ」
翔「すごいなぁ、おれだったら一生出れる気がしないや」
潤「まぁ、魔法地図なし気配なしではほぼ不可能だね…(翔くんの近くにウサギさんがいてほんとに良かった。)」
ニノ「まぁ、森の気が向くまで気長に待つのがいいな。この村は出口から1番近いところにあるし、行くのは簡単だろう。あと何日かかるかわからんけど」
翔「エルフの森って、全てに魔法がかかってるんだね。朝ごはん食べた後の食器は自動で片付けられてたし…魔法地図はあるし…この不思議な水袋も」
潤「技術は明らかにニンゲンよりも匹敵してるけど、ほとんどのエルフは力が弱いし、体力があまりないから武器を振り回したりすることは兵士さんでもないと出来ないことだね。」
ニノ「ニンゲンには、そんなところに憧れがあるな。俺も新聞とかゲームとかで見るように素早く動いたり、戦ったりしてみたいよ」
翔「ねぇねぇ!さっきも言ったけどニノは電気とか光を操れるんでしょ!?」
ニノ「ふふん、俺の手にかかればな(*`ω´*)ドヤッ」
翔「見せて見せて!」
ニノ「もちろん」
潤「あ、見やすいように電気消すね!(カチッ)」
ニノ「ブツブツブツブツ(呪文)」
ニノ「はぁっ!!」
ニノの手のひらから光の気弾が飛び出し、家の中を照らしていく。
ボク知ってるんだから。この電気を纏った気弾に触るとビリビリに痺れちゃうってこと。(笑)
自由自在に光線を出したり、静電気みたいな小さな電気も放ったり…
ニノ「はっ!(光を消した)」
ニノ「どうだった?俺の自慢の魔法」
翔「見てるだけで痺れちゃった!光を操るってカッコイイよね
潤「金色を放ってる大っきい気弾をつい触りたくなっちゃうけど、触っちゃダメなのが悲しいよ(笑)」
ニノ「そんなに褒められると、照れちゃうよ。(笑)」
翔「すごかった!ありがとう😊」
潤「ありがとう!」
ニノ「ふふ、喜んでくれたならよかった。普段ならお支払いして貰うんだけど、お友達価格で特別に無料ね(笑)」
潤「もう!ニノはお金のことばっかり(笑)」
翔「すごく楽しかったよ!そろそろ行くね、」
潤と翔「「ばいば〜い!」」
ニノ「ば〜い!」
潤「最後の子はね、雅紀っていうの!天然なんだよ〜(笑)」
翔「雅紀さんは、いつもどこにいるの?(*'v'*)」
潤「動物たちがだ〜いすきだから、エルナの丘とかだよ!」
翔「あ!あそこだね!エルナの丘…エルフじゃないんだね」
潤「ばあちゃんは、「昔エルナっていう女の子が亡くなっちゃって、そのエルナちゃんの生まれ変わった花があるから」って言ってたよ」
翔「生まれ変わりなんて、ほんとにあるのかなぁ?」
潤「どうだろう…」
潤「あ、いたいた。雅紀ー!」
雅紀「あ!潤ちゃん!なんか久しぶりだね!」
潤「んふふ、久しぶりー(笑)」
雅紀「ん?きみは?」
翔「あ!おれは翔といいます。何を隠そう潤のカレシです( *¯ ꒳¯*)」
雅紀「ははは!カレシなんだね!……………って、えーー!!!!!」
潤「相変わらず雅紀は反応遅いよね(笑)」
雅紀「その姿…翔ちゃんはニンゲンだね?」
翔「はい!」
雅紀「あ、タメでいいよ。^^」
雅紀「てか、ニンゲンなんかリアルで見たことそんな無いから珍しく感じるなぁ」
翔「おれも、初めてエルフを見た時はびっくりしたよ。こんな生き物がいるんだって…」
雅紀「ニンゲンって、オレらみたいに魔法とかは使えないのに、自分たちのチカラであそこまで発展してるのってすごいと思うんだよねぇ…」
潤「雅紀は、ニンゲンになりたかったんでしょう?」
翔「えっ?」
雅紀「オレねー、ニンゲンはできてエルフにはできないこととか、魔法を使わず己の実力だけで競い合う、そういうのに憧れちゃうんだよねー!」
翔「ニンゲンの世界なんて、魔法はまず有り得ない世界だし、技術だってこの森より低いと思うし…なんせエルフを嫌う人がいる」
潤「それは昔の権力争いのせいで仲が悪いんだし、エルフにもいるんだよ、そんな人が。だからそこらへんの差はないと思うよ。ボクは皆で仲良く出来たらいいと思うけど…」
雅紀「いでででで!!!!!」
潤と翔「「どうしたの!!💦」」
雅紀「いや、足つった、ぁぁぁあぁ…………いたい…………いたいたい😭」
潤「はっ!雅紀!いまこそチカラを翔くんに見せてやりなよ!」
翔「えっ!?えっ!?いいの!!?!」
雅紀「んかあぁあ!!翔ちゃん見ててよぉ〜!!」
雅紀「ブツイテェブツイテッブツブツ(呪文)」
雅紀「はぁ〜!!」
雅紀は、手のひらから緑色の光を創り出し、そこを右足のふくらはぎに当てた。
あぁ…足つった時って尋常じゃないほど痛いよね…体の悩みは雅紀に相談しよう。
雅紀の顔が、苦痛の表情から疲れたような表情に戻った。
雅紀「ふぅ………まぁ、治癒の魔法はこんな感じ。」
翔「すごいね!どんなキズとかアザでも治せちゃうの?」
雅紀「オレにかかれば楽勝だよ!(*`ω´*)ドヤッ」
潤「どうしたの、翔くん?もしかしてこの前のケガ?」
翔「もう痛くはないんだけど、ちょっと痕が残っちゃったんだ…治せるかな?」
雅紀「任しときな!腕、ちょっと失礼しますね〜」
雅紀「ブツブツブツブツ」
雅紀「ほいっ!」
翔「あ!痕が消えた!」
潤「良かったね!(o^^o)」
翔「うん!ありがとう、雅紀!!(*´∀`)♪」
雅紀「んふふ、成功して良かったよ(@^▽^@)」
潤「あ、そろそろ学校の時間だ!」
雅紀「ありゃ。午後授業か」
翔「潤行っちゃうのか…(._.`)」
潤「大丈夫。また夜会えるからね。お部屋で待ってて。」
翔「うん」
智「こんにちは〜」
ニノ「こんにちは」
潤「一応、2人も呼んできたから。翔くんは、3人と遊んでて!^^」
翔「うん!」
智「じゃーまずは、釣りしよう!」
ニノ「いやいや、ゲームでしょお」
雅紀「動物さんたちと触れ合うのが1番!」
潤「んふふ、じゃあよろしくね。」
4人「「「「行ってらっしゃ〜い!」」」」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。