「見てくださいこの艶やかな髪!柔らかな肌!
ちょうど食べ頃の17歳!
夜のお相手にでも満足いただけるでしょう!
さあ!10万円から始めます!!」
…………なんだ、この声
ここ、どこだよ
ライトが当たってる
たくさんの人が、私を目てる
「15万!」
「20万だ!」
なんか手首も、足も
冷たいな
「27万!!」
「50万!!」
あ
金属でくくられてんのか
手には手枷
足には足枷
首には首輪
そこから伸びた鎖は
横にいるピエロににぎられている
どうりでひんやりとした無機質な温度が
体につたわってくるわけだ
身動きだってできない
できたとしても
ここからう逃げ出そうなんて
思わないだろうけど
だって私は────
『親に捨てられた』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。