あの愛おしい声でつぶやきながらトタトタこっちへ向かってくる。
あなた「……、マサ、イ?」
マサイ「っ…よっ!!」
いろいろな感情が交わって爆発しそうなのをぐっとこらえ、平然を装って挨拶をする。
あなた「あ、…えと……」
マサイ「…まだ、辛いか?」
シルクの事だろうな、。
あなたの目がクリッとなって俺の目を見つめる
あなた「フェッ……マサイ…」
あなた「私…馬鹿…だったっ…シルクに彼女がいるのも知らずにっ…あんな、……そして、マサイの気持ちにも気付かないで…っ…馬鹿みたい…グスッ」
マサイ「あぁ……お前は、馬鹿だよ。」
あなた「、うん、…ヒグッ」
マサイ「でもな、俺は馬鹿なおめぇが好きなんだよ。」
あなた「……でもっ、私は…」
ギュ
マサイ「俺のモノになれ。俺だけのものになれ。周り見るな。俺の目だけを見つめていろ。」
あなた「マさっ…」
マサイ「なーんてなっ…!俺はお前を応援するぜ、何があってもな。」
あなた「へ、…あ……。」
マサイ「じゃーな。」
パタン
あぁ、馬鹿だ。馬鹿だ。
今のは俺じゃない。シルクだ。
悪いところも認め、優しく慰めてくれるシルク。
今、俺はシルクに「なりきった」。
あなたの好きなシルクの「真似」をした。
俺じゃない。
こうやって良いやつぶる偽善者だからかっこわりぃんだ。
あなたの目に俺はいない。マサイは居ない。
だからシルクを使った。
わるもんだ。
はは、
俺が、馬鹿じゃん。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!