第63話

青い春とサヨナラ
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2019/04/06 15:34
卒業の次は、入学。

出会いの次は、別れ。


これらは、生きていく上で避けられないものだ。



先輩が卒業してから、数週間ほど経った。

俺が好きだった先輩。
2つ学年が離れていて、
学校一のイケメンで。


入学式の時、道に迷った俺を助けてくれた。
偶然部活も一緒になり、関わる機会が増えたんだっけ。

そっからだ。先輩のことを好きになり始めたのは。

あのくしゃっとした笑顔とか、
意地悪なのに実はすっごく優しいとことか、
イタズラが成功した時の嬉しそうな顔とか…

告白、すればよかったかな。
失敗したところで、もう二度と先輩と会う機会はない。
気まずくはならない。


でも、やっぱり無理だ。

卒業式の時、先輩は沢山の女子に囲まれていた。
第二ボタンをせがまれ、プレゼントを受け取り、告白をされ。


とても話しかけられなかった。




考えていても仕方ない。
押し寄せる後悔の波をたちきり、
伸びをする。




そのとき

ぴーんぽーん…

間抜けなチャイム音が部屋に響いた。


何か届けものあったっけ?


疑問を抱きつつ玄関のドアを開けた。


「え?」


思わず声がでる。



そこには、居るはずのない先輩。

走ってきたのだろうか、息切れしていて。




呼吸を落ち着けた先輩が、俺を見据える。


『俺、さ。ずっとお前のことが好きだった。
性別とか、ぶっちゃけどうでもよくて。
だから、俺と付き合ってください…!』





返事なんか、1つに決まってる。



「こんな俺でよければ、是非。」






さぁ先輩?
青春なんて甘酸っぱいモノとはサヨナラしましょうか。




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