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第54話

Et non diligis me
薄暗い部屋の中、
静かに眠る彼。
隣に眠るのは、彼の恋人。

彼等は、愛し合っている。

否、愛し合って''いた''。





何時からだろう。
彼の恋人の帰りが遅くなったのは。

肇は、彼も仕事のせいだろうと疑わなかった。

でもある日、彼は気付いてしまった。


自分の恋人から、
全く知らない香水の香りがすることに。
首筋に、紅い華が咲いていることに。
コンシーラーで隠そうとしたであろう''それ''は、
色が所々掠れていた。


でも彼は


見て見ぬふりをした。




自分の知らない香水を纏い、

自分の知らない華をつけた自分の恋人を。



それでも愛していた。



自分が知らず知らずのうちに''2番目''に
なっていたとしても。












何時ぞや買った御揃いのリングが
いつの間にかドレッサーに
置かれているのに気が付くのは、
もう少し先の話。









気が付いたら彼は、どうするだろうか。














彼の恋人はもう、
帰ってこない。


Et si animadvertit potest abdicavit.

Ad te ipsum ne et non talia sunt, ut amari ab initio.