私はグループを組まず、
ソロデビューという形でデビューすることになった
デビューしてから1ヵ月、
未だ事務所に余命のことは言えていない
そして今日は新曲の振りを教えてもらう日
挨拶を終えて、振りを教えてもらってから30分後、
バタッ
倒れてしまった
その後の記憶はまったくなくて、
気付いたら病院のベッドの上にいた
病室に私の他には誰もいなかった
私のお母さんとお父さんは私が中学2年生の時に交通事故で死んじゃった
私も一緒にいたけど、お母さんが必死に私を守ってて、私はかすり傷程度で済んだ
その時一緒に死んじゃえば良かったなぁ、ってたまに思う
だって
ガラッ
急いで涙をふいてお医者さんの方へ向いた
ガラッ
.
ため息を1つついて、
私は気合いを入れ直した
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!