第17話

聖なる夜空の星に誓って
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2021/01/16 01:00

「ごめん。久保田さんとは付き合えない。」

高瀬先生からはそんな言葉が返ってきた。


分かってた……よ。

分かってたけど、辛いよ。


高瀬先生があの時……あの放課後の時間にこの言葉から私を救ってくれた。

二度も聞きたくなかったよ。


高瀬先生からこの言葉は聞きたくなかった。


一ミリでも期待した自分が悪いのかな。


「そう…ですよね。困らせてごめんなさい。高瀬先生、この二週間は色々とありがとうございました。」

そうお礼を告げて、その場を立ち去ろうとしたその時。

「待って!」

高瀬先生に腕を掴まれた。


こんなことされたら、期待してしまうだけなのに。


「まだ続きがある。」

続きとは話の続きだろうか?

よく考えてみれば、高瀬先生の話を遮って私が喋ってしまったような気がする。


「今は久保田さんとは付き合えない。でも、俺が教師になって、久保田さんが卒業して……その時ももし久保田さんがまだ俺の事を好きでいてくれるなら、俺は久保田さんの隣にいたい。」


私は耳を疑った。

でも、目の前には真剣な顔付きの高瀬先生がいる。


「もし、二年後も好きでいてくれるなら久保田さんの気持ちに応えたい。」

「もちろんですっ……」

私の目からは涙が溢れ、頬を伝った。


「卒業したら、迎えに行くから。」

「はい、待ってます。」


夜空を見上げれば、聖夜に浮かぶ星々が見える。


また二年後に高瀬先生とこの夜空が見えますように。

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