第10話

恋愛相談
155
2021/01/11 00:00

お昼休憩の時間。

私は梨乃を中央階段に誘う。

私たちの学校には中央階段という階段があり、天気のいい日はここで昼食をとる生徒もいる。


「いただきまーす」

梨乃は弁当を食べ始めた。

今日は梨乃に相談がある。

ちゃんと話さなければ。


「梨乃、話があるんだけど。」

「栞里からここに誘うなんて珍しいもんね。どうかした?」

さすが私の良き理解者。

何となくは勘づかれているかもしれない。


「梨乃。その人ともっと長く一緒に居たいとか、話したいとか思うって……先輩の時と同じ気持ちだよね?」

「……そうだと思うよ。誰だかわかんないけど、新しい恋が見つかってよかった。ずっと先輩こと、忘れられないんじゃないかって心配してたんだから。」

梨乃は相手が誰なのかは聞いて来なかった。

「栞里、悔いのないように……ね。」


「うん。」



きっと、梨乃は薄々気づいているのであろう。

それでも聞かないのは梨乃の優しさ。


私はその優しさに暖かく心を包まれる。


悔いのないように……か。

二週間なんてあっという間に過ぎるからなぁ。


それにしても、私は厄介な立場にいる人を好きになってしまったようだ。


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