朝学校に来たら、女子が花道みたいなの作ってたの。
何事かと思って見たら、やっぱり遥輝がいたよ。
遥輝は、私の好きな人。
私より可愛い子も夢中になってるから、私なんて相手にされてないんだろうな…
ヤバヤバヤバ!
聞いた!?
も~、私の心はピンク色!
遥輝におはよって言われた!
なんておどけて返す。
私たちの方に視線が向く。
怖いなぁ、怖いなぁと思いながら遥輝と一緒に下駄箱へ向かう。
至福の時間。
この時間が永遠に続けば良いのに…
と思いながら遥輝の方を見ると、凄い顔してた。
絶対大丈夫じゃない。
今まで見たこと無い顔してるもん。
そう言った瞬間、遥輝の顔がパッと輝いた。
遥輝が入れたんだろうな~、と思いながら言うと、遥輝は嬉しそうに笑った。
心から嬉しいと思っているような笑い方だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!