第18話

END~遥輝side~
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2019/03/24 15:30
遂にこの日がやってきた。
今日は紗雪と一緒に死ぬ。
今日のために、昨日、伸びきった髪を切った。
カッコいいって言ってくれるだろうか。
昔みたいに笑ってくれるだろうか。
遥輝(ハルキ)
遥輝(ハルキ)
…おはよ。
紗雪(サユキ)
紗雪(サユキ)
おはよう。遥輝も髪切ったんだね?
紗雪を見ると、昔のような姿の紗雪だった。
遥輝(ハルキ)
遥輝(ハルキ)
うん。紗雪も、切ったね。
紗雪(サユキ)
紗雪(サユキ)
うん!昔をイメージしたんだけど、どうかな??
変わってないなぁ。
遥輝(ハルキ)
遥輝(ハルキ)
可愛いよ。よく似合ってる。
紗雪(サユキ)
紗雪(サユキ)
あ、ありがと…//は…遥輝も似合ってるよ!カッコいいよ!
遥輝(ハルキ)
遥輝(ハルキ)
……ありがと///
紗雪(サユキ)
紗雪(サユキ)
ほら、惚気てないで早く死のうよ。
遥輝(ハルキ)
遥輝(ハルキ)
ムード台なしだな…笑
呆れながらも包丁を取り出し、持った。
そして、紗雪の心臓を一突。
紗雪(サユキ)
紗雪(サユキ)
…ガハッ………こんな、感じなんだね、、
紗雪は立っているのも辛くなったのだろうか。
床に倒れた。
自分の心臓も刺した。
遥輝(ハルキ)
遥輝(ハルキ)
ゲホッ……痛ぇな、よく耐えたよ…
口元を真っ赤に染めた紗雪を撫でる。
紗雪は笑った。
紗雪(サユキ)
紗雪(サユキ)
だって…遥輝と一緒…に死ねるんだもん。
紗雪は目を閉じた。
笑っているかのような死に顔だ。
俺は寝っ転がって空へ手を伸ばした。
神様。
紗雪と巡り合わせてくれてありがとう。
俺はダメな彼氏だったけど、紗雪の事を誰よりも愛せた。
生まれ変わっても、紗雪と一緒に生きていきたい。
薄れゆく意識の中、手の甲を見ながら目を閉じた。





               ~end~

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