まるでミサイルの如く走ってきた人物に困惑しながらも応答した。
彼女は加藤 梨亜。
保育園からの幼馴染で大親友なの。
栗色の綺麗な髪の毛を方まで伸ばしていて,笑うととても可愛い。
性格も明るい方だからいつもクラスの中心にいて,私が持ってないことをすべて取り揃えてあるような子なの。
突然,目をのぞき込まれて驚いてしまった。
梨亜はハーフなためか,目の色に灰色が少しかかっている。
その上,目もパッチリとした二重だ。
そのせいか,その目を見ると引き寄せられるような不思議な感覚に陥るんだ。
気のせいだと思うけどね。
思い立ったらすぐ行動派の梨亜は私のカバンからスマホを取り出した。
1に勉強,2に勉強,3に勉強の,勉強ぐらいしか脳がない私には苦痛すぎるほどの辛さだ。
半ば強引にやらされてるような気がするけど......まぁ興味がないと言ったら嘘になる。
その後もリアに好みや設定を聞かれ,ドギマギしながらも,彼氏を作った。
初めて出来る彼氏にほんのちょっとだけ,楽しみな部分もあった。
だから.....私はこの後に起こる悲劇を,まだ知らなかったの。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!