第8話

悪魔
3,259
2018/03/22 16:11
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携帯電話がバイブレーションと共に鳴る。
制服の右ポケットから携帯電話を取り出し画面を見る。先輩からだった。
『もしもし』
『もしも ~ し 、今暇 ? 』
いつも以上に明るい先輩の声に違和感を感じる。
『暇です』
『じゃあ ,今から体育館倉庫前に来いよ』
『はい』
そう言って電話を切る。
全ての授業が終わった放課後に体育館倉庫前に集合なんて、何の用だろうか。
そんなことを考えながら目的地へと向かう。
あっという間に体育館倉庫前に着いた。
「あ、来た」
と言う先輩。
そんなことより俺は先輩の隣に並ぶ二人の男子生徒が見えて息を飲む。聞いてない、聞かされてない。他に人がいるなんて。
「こいつがお前の言ってた後輩か ? 」
ある一人の先輩の友人らしき人物が俺を指差し、クス ッ と小さく笑う。
「あぁ」
先輩は頷く。
「あの ,誰ですか … 」
恐る恐る聞いてみる。
「ど ~ も 、空 で ー す」
俺を指差した先輩が名乗る。
その空先輩の隣にいた眼鏡をかけた、これまた先輩の友人らしき人物が
「音だ」
と名乗った。
「初めまして … 」
軽く会釈をした。
「さて ,始めよ ー か 。" あれ " を」
" あれ "って何だろう。

そう思ったのは一瞬で、俺は体育館倉庫の中に突き飛ばされて入っていた。
「 ッ … !? 」
驚きを隠せない俺を嘲笑うかのように笑顔の先輩と空先輩。一人だけ真顔の音先輩。
「ほら ,脱げよ」

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