平野紫耀side
唇が離れて、あなたと目が合って再びあなたは顔を近づけてくれてたけど、
恍惚とした表情から一瞬でいつものぽかんとした顔に戻ったあなた
自分が小さ過ぎて恥ずかしくなって顔を見られたくないからぎゅっとあなたを抱きしめた
あなたは、一言そう言うとそっと抱きしめていた俺の胸元を両手でそっと押して、俺の顔にいくつかキスをして、
って、愛おしそうに微笑んだ
俺の嫉妬心とは裏腹に幸せそうに微笑むあなたにムカついて深い口付けをした
ふわふわとしたあなたの唇が触れる度に黒い気持ちはどこかへ消えていく
その代わりに今はあなたをめちゃくちゃに抱きしめたいと言う感情が体を支配する
段々とあなたから漏れる甘い声がお風呂場全体に響いていつもより頭に甘く深く響く
あなたの唇から離れて顎、首筋、耳朶…とゆっくりと舌を這わしていると…
ぐーーーー
揃いも揃ってお互いの腹の虫が鳴った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!