第13話

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2020/10/28 05:08





平野紫耀side








吉沢さんはあなたの手を掴んだ







あなたはびっくりした顔で吉沢さんと話しだした






何を話してるのかわからないけど楽しそうに笑って話す2人の姿にどうしようもなく腹が立ってしまう…







普段なら電話してこっちだよ、って言えば済むのにわざわざクラクションを鳴らして俺、いますよアピールをした







またあなたはクラクションの音にびっくりして一度キョロキョロした後俺の車だとわかったみたいで、
いつも俺に見せる顔をしてくれた…って思ったのに…






吉沢さんがまたあなたの手を引いて何か話してキャップをあなたに被せた





多分、あなたがキャップを忘れてそれで渡しにきてくれたとかそんな感じなんだろう。





別にそれはいい。それはいいんだけど!!!なんでわざわざ手を繋いで止めるの?!!!





腕掴めばよくない??!!






しかも!!!!キャップ被せたあと頭撫でましたよね?!??






なにしてくれてんの?!!!




しかもあなたはあなたで照れちゃってるし!!!






落ち着いていたはずの感情が再びふつふつと出てきてしまう。






あなたは吉沢さんに手を振りながらやっとこっちに来た






俺も車を降りてあなたを出迎える













(あなた)
(あなた)
紫耀、お待たせ!
平野紫耀
平野紫耀
…ん。おかえり。



助手席のドアを開けると、





(あなた)
(あなた)
ふふ、ありがと!
平野紫耀
平野紫耀
なんか面白かった?
(あなた)
(あなた)
んーん、なんかお姫様みたいだなって(笑)
平野紫耀
平野紫耀
は?
(あなた)
(あなた)
…なんか機嫌悪い?
平野紫耀
平野紫耀
…別に。



あなたが乗り込んだのを確認して扉を閉め、なんとなくさっきまであなたがいた方を見れば吉沢さんがまだ立っていてこちらを見ていた





掛けていたサングラスを外して、一礼すれば向こうも同様に一礼してきた





すぐに運転席に戻れば吉沢さんに見せていたキラキラした笑顔じゃなくて不安そうにこちらを見るあなた







はあ、こんなつもりじゃなかったんだけど…。






とりあえず車を出してスーパーに向かった






少し気まずい車内にはあなたの好きな洋楽が流れてる






時折、横からあなたの視線を感じる








赤信号になって止まったタイミングで名前だけ呼んだ






平野紫耀
平野紫耀
あなた…
(あなた)
(あなた)
ん?





なんとなく、あなたの顔を見れなくてそのまま前に止まっている車を眺める







(あなた)
(あなた)
…紫耀?



さっきの光景がやけに頭にこびり付いて離れない






左手をハンドルから離してあなたの方に伸ばせば遠慮がちにあなたが手を繋いでくれた








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