前の話
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ピンポン
聞き慣れた規則正しい無機質な音
それでいて心地よい。
ベッドに伏せたスマホをひっくり返すとクラスのグループチャットの通知が来ていた。
内容は、、
「文化祭の出し物のクレープの材料が計算ミスで足りないから誰か買ってきてくれないかな…?こんな時間にごめん!外せない用事があるから誰かお願い!」
めんどくさい。
チャットの相手がこいつじゃなかったらそう思っていただろう。
送り主はソナ。私の幼馴染。
とてもソナには感謝している。
大体私の趣味はソナに勧められたもの。
特に今ハマっているのはツイステッドワンダーランドという作画もストーリーも声もすべてがハイスペックなゲームだ。
ソナの願いを断る理由は無い。
憂鬱な文化祭だがソナは一生懸命に努力しているから悲しませるようなことはしたくない。
めんどくさいけど行ってこよう。
今の時間は20:05
近くのコンビニでパンケーキミックスと牛乳、卵を買えばいいかな、
ソナに聞いてみよう
『私が買っておくよ。どんくらい買えばいい?』
ピンポン
ソナは相当焦っていたのか誤字が混ざった文で返ってきた。
「あなた!ありかう!!ホットケーキミックスは3袋くらい。卵は10個パックを5パック分ね。牛乳は1㍑を4本分!レシートは明日持ってきてね〜、よろしく!」
…
ありかうってw
さて。
そろそろ行こうかな
ガチャリ
外は少し寒い風が吹いていた。
この時間の外は綺麗で少し騒がしくて住宅内の喧嘩も騒ぎも会話も時々聞こえるこの安心さが好きだ。
コンビニはすぐそこだからたった一瞬のこの一時が私の心を浄化する。
売り切れてないと良いけど。
ピンポピンポピ~ン
「いらっしゃいませ〜」
卵は5パック分ある。
ホットケーキミックスは、、一袋しか無い…
げっ、、牛乳も3本しか…
「~~~円になりま〜す」
チャリン
「ありがとうございました〜」
ピンポピンポピ~ン
はぁ。
スーパーまで行かなきゃ…
テクトコテクトコ
商店街の近くはあまり得意ではない。
カタチはトモダチでもただの凭れつるみ居るだけの存在。
トモダチによく会う場所が商店街。
恐らく今日は会わないだろうけど。
皆今日は寒いからと外に出たがらずにこもっているとグループチャットにあったから。
そんなこんな考えてるうちにスーパーについた。
さすがはスーパーマーケット。
品揃えは抜群だ。
後はホットケーキミックスと牛乳を買えば終わり。
ピッ
「お会計~~~円になります」
チャリン
「ありがとうございました〜」
あ。
お菓子のま○おかでツイステコラボのぷっちょ買おう。
………
誰か近づいてくる…?!
「あなた〜?こんな時間に何してるの?」
なんだ、お母さんか。
お母さんって言ってもバツイチの。
それも最近離婚したばかりで再婚はしてない。
離婚が噂されるのは嫌だったから姓は父方にしているが親権は母にある。
『文化祭の出し物の材料が足りなかったから買い出し。このあと少しだけ買い物するよ。』
「なら荷物持って帰っておくわ。重たいでしょ?ちょーだい」
『はい。ありがとう』
サッ
『じゃあ行ってくるね』
「行ってらっしゃい」
両手が空いたからありがたいな、、感謝…!
ぷっちょ…買いに行こ
テクトコテクトコ
?
あれは…
私は知っている。この黒い馬車を。
私は知っている。あの漆黒の式典服を。
私は知っている。あの馬車の行き先を。
絶対にこのチャンスを逃したくない。
焦った私は走り出す。
周りの人には馬車は見えてないのか走り出した私を見ていた。
馬車の目の前に来たとき、
私の意識は消えた。
目を覚ますとこの世とは思えないくらい、、
否
ここはこの世ではない…?
明らかに画風の違う恐ろしいほど美しい景色。
ガタゴト少し揺れる丸い乗り物…
あの、馬車、、?
ハッ
何で、私は…??
その先を考える時間はなかった。
馬車から降りたと思うとドアの様な棺桶?の中に居る…
一体何が起きているんだ。
訳がわからない。
こんなのまるでツイステそのものではないか。
なぜ、私、?
あの世界とはもうお別れなのか。
ソナは困ってないと良いな。
お母さん、お父さん元気にしてるのか。
ソナは心残りだがそれ以外は不要な心配か。
過ぎたことは仕方がない。
浮気に浮気を重ね酒に明け暮れた父親。
父親が怒りだすとすべて責任も何もかも押し付けてくる母親。
ソナ。ありがとう。
ここがツイステッドワンダーランドだと仮定しよう。
いや、十中八九そうだろう。
私は監督生ではないだろう。
理由は監督生は馬車に運ばれるところでは目を覚ましていないし、ドアの様な棺桶の中ではグリムのせいで起きた。
だとするならば
私に魔力があるのか、、あるいは監督生の様に何かの手違いなのか
どちらにせよここに来たという事実に変わりはないし起きたことは仕方がない。
そうだ、推しが眺められるんだ。
これからは面倒な繋がりも縛りも人脈も何もない。
ソナには私の分まで楽しんでもらおう。
そんな事を考えていると黒い面をした男。
クロウリーが棺桶の扉を開けた。
ガチャリ
「さぁ!あなたの番ですよ!闇の鏡に……って貴方は女性?!?!」
あ。
My happy life終了のお知らせ。
髪の長さも誤魔化せない。
何より男とは違う胸の膨らみやスカートなど服装からして言い訳できない。
だが
ここでしくじれば生きることすら困難となる。
……ここは認めてクロウリーを上手くのせよう。
『仰る通り、私は女です。ただこの馬車は魔力が認められたらくるものですよね?学園長としても優秀な魔法士として卒業できるなら私をここに置いてくれてもいいのではないでしょうか…?』
「困りましたねぇ、過去100年間こんな事は一度も無かったのに…まぁ、あなたの言うとおりですね。取り敢えず闇の鏡に寮を決めてもらいましょう!私優しいので」
こういう時クロウリーは優しいと心から思う
とりあえず闇の鏡に聞いてみよう。
だめだったとしても、、オンボロ寮にゴリ押しで…!!
「汝の魂の姿は…
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おはこんばんにちは〜
そるとせんせいです
ツイステの夢小説を書きたくて書いちゃいました()
闇の鏡の台詞が途中なのはお話によってあなたちゃんの寮や設定が変わる可能性があるので書きませんでした!
誤字脱字などの指摘はばんばんお願いします!
コメントなどお気軽にどうぞ〜
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!