きりside
どっと騒がしくなる教室の隅でお弁当を広げる。
今日のは結構自信作だ。
ぶるーくから上の兄弟にはお弁当を作っている。
なんて自画自賛してみる。
まぁもう二年もずっとご飯を作っているのだから当たり前なのだが。
皆の美味しかったと言う顔を想像して笑みが零れる。
皆のために作っているようなものだから。
今日金曜だし、家で焼肉でもいいな。
皆でワイワイはしゃいで。
ちょっと高い肉でも買って帰るか。
笑みが隠せないw
はたから見たら一人で笑っているただのキモイやつだなぁ。
お弁当を食べ終えスマホを見る。
するとそこには、スマ兄からの美味しかったというメッセージがあった。
嬉しいなぁ。
返信してスマホを閉じる。
放課後を心待ちにしていた。
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。