なかside
今日はきんときの元気がない。
昨日楽しかったから今日の学校が嫌なのかなって思っていたけど違う感じがする。
でもきんときから言ってこないことは聞いても教えてくれないんだよな。
知らないうちに横に来ていたらしいきんときに凄く驚く。
いつもはそんなことないからきんときもキョトンとしていた。
双子だからといって何でもお互いのことがわかるわけでもないし、全てを共有するわけでもない。
質問を濁す時は聞いて欲しくない時。
きんときもそれを察したようで、
そう言いたわいのない会話が始まる。
その間もきんときはソワソワしていた。
授業中もずっと。
帰る時間になってもトイレやなんだで帰ろうとしなくて。
いつもはすぐに帰ろうって帰るのに。
朝なにかあったのかな、帰りたくなさそう。
だから俺は、
そう言いきんときの手を引っ張って行った。
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。