第64話

六十三話 次男
2,784
2021/02/02 23:05
シャside
部屋に入りその場に座り込む。
怒りを拳に込め、床を殴る。
ドンッと大きな音を立てるがそれ以外は静寂に包まれていた。
シャークん
シャークん
クソっ…
スマ兄の顔が頭から離れない。
白々しい嘘をつくあの顔が。
何かを恐れているように。
全てを隠すようにつかれる嘘に。
俺は怒っていた。
シャークん
シャークん
なんで何も話してくれねぇんだよ
静寂な部屋に俺の声が響く。
俺にさえ何も言ってくれない。
俺だって、お金を稼ぎたいからしたくもない勉強して大学行って、いい所に就職しようと頑張っているのに。
スマ兄の負担を少しでも減らそうとしているのに。
俺も大人になったのに。
それをスマ兄はわかってるはずなのに。
シャークん
シャークん
全然頼ってくれねぇ…
独りで全部やってしまう。
抱えてしまう。
なんでなんだよ。
悔し涙が出る。
俺の怒りは収まることはなかった。
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
作者
作者
ではまた(・ω・)ノシ

プリ小説オーディオドラマ