きんside
そう言うなかむについて行く。
そう呼び止められて後ろを向くと、シャケ兄に抱きしめられた。
そう言われた。
正直すごく嬉しい。
行ってこいと言われ部屋を後にする。
でもスマ兄の部屋の前に来るとそんな気持ちは吹き飛ぶ。
緊張が勝る。
俺は意を決してノックをした。
その威圧に押し殺されそうになる。
怖くてここから逃げ出したくなる。
でもスマ兄のどこか悲しそうな顔を無視出来なくて。
きり兄を売るようなことはしない。
また溝が出来てしまいそうだから。
また壁を作られる。
咄嗟に閉められそうになったドアを引っ張る。
スマ兄は少し驚いていた。
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!