シャside
目を覚ますと八時を過ぎていた。
昨日家に帰ってすぐ皆で寝てしまったのだ。
なかむの皆で雑魚寝しようという提案でリビングに布団を敷いて。
スマ兄はもう起きていて本を読んでいた。
スマ兄も疲れてるはずなのになぁ。
スマ兄はありがとうと笑顔になる。
吹っ切れた、そんな顔をしているスマ兄を見てびっくりする。
それと同時に嬉しく思う。
俺も笑うとスマ兄は愛おしそうに目を細める。
母がやっていたのと同じことを。
スマ兄の横に座り弟達を眺める。
幼い寝顔はずっと見てても飽きなくて。
(パシャッ)
ニッとイタズラっぽく笑うスマ兄。
その言葉に少し照れる。
皆が起きるまでずっと言い合いをしていた。
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!