第3話

3分の1___⛄️🧡
3,644
2022/11/04 11:35





康二「あー、疲れたぁ、」



濡れた髪を拭きながら


ソファーに倒れ込む


そんな彼を見てクスクスと笑いながら夜ご飯を作る



「もう少しでできるから待ってて」



キッチンからそう声をかける


こんな日常が一番幸せなのだ


音をたてながら野菜を切っていく私に



康二「なぁなぁ」



なんて、相変わらずソファーに倒れ込みながら


話し出す康ちゃん



「ん?」

康二「人ってな」

「うん」

康二「好きな人とハグするとストレスの3分の1は無くなるんやって」



何を言い出すかと思えば


そんなことを言い出す彼が可愛く思えてきて


またクスクスと笑った



「へー、そーなんだ」



わざと素っ気なく返してまた手を動かす


彼のほうをチラッと見ると


何やら納得いかないような顔をしていた



「ごめん、お腹すいたよね、もうできるから」



彼の反応が面白くなり


少しだけ意地悪でそんなことを言ってみる


食器棚を開け、彼に背を向け


食器を2枚取り出し


扉を閉めようとすれば


シャンプーのいい香りに包まれる



康二「そうやなくて、ぎゅってして欲しいの」



そう言うとそのまま首に顔を埋める



康二「もう、わかってや」



なんて言って


すっかり拗ねてしまった彼に


思わず声を出して笑ってしまう



康二「なんで笑うん」

「いやー、可愛いなって」



口を尖らせる彼の顔を覗き込み


また笑みがこぼれる



康二「もう嫌い」



そう言うと私から離れ


ソファーの方へ戻っていく


そんな彼の背中に思いっきり抱きつき


背の高い彼に背伸びをして頬にキスをした


一瞬で耳まで真っ赤になる康ちゃん


そんな彼に体に向きを変え


もう一度正面から抱きつく



「ごめん、ちょっと意地悪した、お仕事お疲れ様」



からかいすぎたことに


少し反省しながらた大好きな匂いに顔を埋める



「怒ってる?」

康二「当たり前やん、もう嫌いやから」



なんて言いながらも


彼の気が治まるまでは


ずっと抱きしめられたままだった










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