あなた 【視点】
「あなたさーん、もうそろそろ休憩終了ですよ」
♥ 「は、はい…ありがとうございます…」
「なんか…げっそりしてませんか?」
♥ 「なんか、疲れました…」
「まぁ頑張って下さい、もう少しで終わりですから」
♥ 「…は、ははは」
あれから、20分間の休憩が入り、これが最後の撮影です
次は、何をされるんだろ…
なんか、『尊い』を通り越して疲れた…
「あなたさん、入りまーす!」
その、どっかの飲食店みたいな言い方やめて欲しい…
私って商品かなんかかしら…ははっ
♡ 「あ、あなたちゃんこっちですよ ニコッ」
♥ 「あ、ありがとうございます ペコッ」
♡ 「はい!次は、僕があなたちゃんに顎クイ?をするらしいです」
♥ 「あ、そうですか…」
もう、騒ぐ気力すらない…さっきので全て使い果たした
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それから、その顎クイのシーンと私、1人だけのシーンを撮り終わって、あと1つで最後らしいです
良かったぁぁぁ、早くお家に帰りたいよぉ(泣)
『•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎』
あ、また流れだした…
それにしてもいい曲、それにかっこいい
♡ 「………。グイッ」
♥ 「わっ!っと…」
私は、本日2度目のまふまふさんの腕の中
……あれ、まふまふさん何も言わない
さっきまでなら、『あなたちゃん、こっちですよ!』って元気に言ってたのに…
♥ 「あの…まふまふさん?」
なんでそんなに静かなの!?逆に怖いんだけど!?
もぞもぞとまふまふさんの腕の中で動き、顔を見ようと思ったけど…
がっちり固定されてて無理…
♥ 「………?」
♡ 「……あなたちゃん」
♥ 「は、はい」
♡ 「おやすみ」(耳元)
♥ 「ッッッッ!!!/////」
「はい、カット!OKです!」
「お疲れ様でしたー。これで撮影は、以上となりまーす!」
「パチパチパチパチ」(拍手)
♡ 「ありがとうございました!お疲れ様です!」
いや、なんで貴方普通に挨拶してんの
さっきは、あんなに静かだったのに!?
勘違いさせんじゃないわよ!?!?
♡ 「あなたちゃんも、協力ありがとうございました ニコッ」
♥ 「い、いえ、こちらこそありがとうございました ニコッ」
こうして、私の波乱のMusic video撮影は幕を閉じたのでした。
♥ 「はぁ、疲れたぁ〜」
私は、家に帰るや否やベッドにダーイブ!!
お布団最高!!もう、結婚して←
♥ 「んむぅ?LI○Eきてる…まふまふさんからか…」
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いや、その集まりの中に入りたくない←
絶対にやだ…やだ!!
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!?!?
何送ってるんだ、自分!!
そんな風に聞いたら、絶対に
『そんなことないですよ!』
「じゃあ、行きます!」
みたいな会話になるに決まってるじゃないかぁーーーーっ!!!
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次回から、『至福(?)の宅飲み編』になります!
よろしくお願いいたします^^*
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。