うみか達と別れてから30分ぐらいだったかな?
僕ははるなちゃんと2人でどこか知らない場所を歩いている。
はるなちゃんは丁寧な言葉で返してきた。
僕はニコッと笑った。
はるなちゃんはおどおどしながら僕の名前を呼んだ。
そういう純粋なとこ、可愛いなぁ。
僕は元気よく返事した。
すると、はるなちゃんがニコッと笑ってくれた。
よかったぁ。
バタバタバタッ
遠くから何か音がする。
僕は、はるなが指差した方向をみてみた。
すると、遠くに7人のおじさん達がものすごいスピードでこっちへ走ってきていた。
俺ははるなちゃんの手を取り、逃げるように走り出した。
けれど、おじさん達の足が速すぎて、すぐ追いついてしまった。
おじさん達はすごく小さくて、小人のようだった。
小人のおじさん達がはるなを引っ張っている。
僕は怖いながらも、はるなちゃんを守ろうと蹴ったりぶったりした。
けれど、小人達の力が強すぎて、はるなちゃんが小人達に連れ去られてしまった。
はるなちゃんを守れなかった。
ひかるくんと約束したのに……
僕の目からは涙がポロポロと溢れてきた。
すると、涙でかすんだ目に白い何かがうつった。
それは、何回も見ているあの手紙だった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。