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第23話

バトル 16
美瑚
……はぁ
誰もいない教室で、机に頬杖をついてため息を吐く。

私の席はちょうど教室の真ん中あたりなため、一人でいると、なんだか落ち着かない。
しお
あれ、美瑚?おはよー
教室後方のドアの方へ振り返ると、珍しいものを見るような顔でこちらに歩いてくるしおが見えた。
美瑚
おはよう。そっか、しおはいつもこの時間なんだったね
しお
そうそう。親がこの時間しか送るの無理だからねー
しおの家は共働きで、その上どちらも多忙らしく、お母さんが朝仕事に行く時に学校まで送り届けてもらっていると聞いた。

それを話してくれた際、元が何個つくか分からない過去の彼氏に「朝一緒に登校しよう」としつこく言われて嫌になり別れたという軽い愚痴も聞いた。
しお
美瑚はどしたの?臣くん関連?
美瑚
……ほんと鋭い。なんで分かるの
しお
美瑚が最近振り回されてるのって臣くんしかいないから。ちなみにあと10分は人来ないよ
……話したかったら話していいよ、聞かれる心配ないからってことか。


ていうか、私まじで早く来すぎたな。

美瑚
……特別何かがあったわけじゃないの。ただ、結局あいつもなんだなって
しお
何が?
美瑚
自分のことしか考えてない、私を落とすことをゲームって考えてる奴
しお
あぁ、なんかほんとにゲームらしいよ?それも“罰”ゲーム
美瑚
……え
まじ?じゃあ、私を落とすのをゲームって思ってるよりは、罰だから私を落とそうとしてるってこと?

……なんだ。やっぱりじゃん。

私は目を閉じ、深いため息をついた。
しお
……美瑚、がっかりしてるんだね
しおが零した言葉に、胸のあたりがざわついた。
美瑚
……がっかり?何それ。そんなんじゃないけど
しお
でもさ、美瑚って今まで、迫られてる理由がゲームだって分かっても全然普通だったでしょ?なのに今はそんなにため息ついてる。臣くんは違うんじゃないかってどこかで思ってたんじゃない?
ざわつきがだんだん大きくなる。

確かにそうだ。だってどうでもよかった。なのに今回は……。

がっかりした、ってことは、私はあいつに――してたの?


何を?

女子
しおちゃんおっはよーう!!あ、美瑚ちゃんもおはよう!
大袈裟なほどビクッと自分の肩が震えた。
しお
おはよ!
美瑚
お、はよう
女子
うん!ねぇねぇ今日さー……
その子が私たちの元に来て話し始め、そこからあいつとの話題に戻ることはなかった。

よかった――と、何故か安堵している自分がいた。

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るうみ
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るうみ
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