部活が終わり、烏野排球部一同で帰っている時、それは起こった。
菅原「ん?あれ、あんな小さい子、こんな暗い時間に1人で何してるんだろう」
大地「全く、親は何してるんだ?」
影山「家出じゃないっすか?」
旭「それは無いだろう・・・」
菅原「とりあえず、ちょっと見てくるべ。悪いけど、ここで待っててくれ!」
大地「あ、おい!スガ!」
そういい、菅原は子供に向かって走っていった。するとその子供は菅原が自分に走ってきていることに気付き、逃げるように走っていった。
日向「お、おい、アレやばいんじゃねぇか!?」
そう日向が焦ったように言いながら目を向ける方を皆が見ると、走っている子供が道路を通っていた。そこには、1台の大型トラックが猛スピードで走ってきていた。
大地「っまずい!!君!止まりなさい!!」
その時、焦ったように言う大地の横を、何かが通った。
西谷「影山!!」
田中「おい!影山!行くんじゃねぇ!!」
必死に止める田中と西谷の声が影山には聞こえなかったのか、迷いの無い目で轢かれそうになっている子供に向かって走っていった。
影山「っ、間に、合え!!!!」
影山は子供に飛びかかる。
ドンッ。
鈍い音が町中に響いた。
日向「・・・・か、影山?」
菅原「おい・・・嘘、だろ、影山」
山口「あ、え、え?」
月島「・・・・・・嘘でしょ」
大地「影山・・・・!!!!!」
それを間近で見た烏野部員一同の皆は、あまりに突然で、残酷な状況に唖然とするしかできなかった。
影山が、轢かれた。
ーーーーー
菅原「なんでだよ影山・・・」
田中「くそっ・・・!!人救っておいて自分は怪我するとか、どんだけヒーロー気取りなんだよ影山・・・・・・・・っ!!」
月島「・・・馬鹿だね、王様は」
影山の送り込まれた病院で、皆が口々に影山への文句を言っていた。
ガララ。扉が開いた音がした。するとそこから1人の男性の医者がでてきた。その男性に日向は飛びかかる。
日向「あの!!っか、影山は、!!??影山は死んでないですよね!!!!??」
山口「ひ、日向、落ち着きなよ」
日向「落ち着いてられるかよ!!」
大地「日向。」
そう大地が言うと、日向は悔しそうに唇を噛んで医者から離れた。
医者「・・影山君は、なんとか一命は取り留めました」
日向「!そ、そうですか」
それを聞いた皆は、心底安心したように溜め息をはいた。
医者「あの速度のトラックに轢かれて生きているのは、奇跡としか言いようがないよ」
月島「流石、単細胞は活きがいいね」
そう嫌味っぽく月島は言う。
医者「・・・ただ、少し脳に後遺症が残ります」
菅原「え、脳って・・・」
医者「影山君は________」
「______記憶喪失です」
さっきの安堵は、また、烏野から奪われていった。
かげやまーーーーーっっ
もしこんなことがほんとに起こったら私生きていける気がしません。
影山はこういうことがあったら絶対に真っ先に助けにかかる気がします。
あの子良い子ですから全く。
続きは影山がたべました
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。