自分で言って恥ずかしくなったのか控えめにゆっくりと私の腕から抜け出して、
でも私の手は相変わらず強く繋がれたまま、以前サナオンニと言い合いをしたカフェへ入る。
ここはJYPの近くだからかアイドルが来ることが多いらしくて
そこまでアイドルとか著名人に対する反応が大きくないから好きだ。
以前とは違う少し奥側にある隅の席へ座る。
壁側に座ったミンジュオンニがまだ俯いたままでテーブルを見つめたまま動かない。
...まさかの秒で失恋か...笑
いや、でも本気でズブズブ好きになる前にわかってよかった。
まだ、まだlikeの末くらいの感情だったから。
良かったのか悪かったのか...分からないな
そう言って席を立つと、突然私の腕に絡んでくるミンジュオンニの腕。
おぉ…何?予行練習的な?笑
仕方ない付き合ってあげましょう。
そんなことを思いながらミンジュオンニの腕をより強く引き寄せるとみるみる内に赤くなるオンニの顔。
そんなんじゃ本人にできないんじゃ…いや、言わないでおこう。怒られそうだし。
そのまま腕を組んだまま、バス停へ向かってバスへ乗り込んで宿舎へ帰る。
帰るまで一度も外れることのないその腕からは冬とは思えないほどの温かい体温が伝わってきて。
とても快適なバス旅だったな。笑
相変わらず私の腕で練習をしているミンジュオンニを連れて、バスを降りる。
さっきから何度も手の繋ぎ方を変えたり力加減を変えたりしていて、
ちょこちょこといじっているオンニが可愛すぎる笑
宿舎へつけばみんなすでに夕食の出前を取ったみたいで、
それぞれが部屋やリビングで学生組は勉強したりオンニ組はテレビを見たり止まったりしている。
向こうの宿舎からユリオンニとウォニョンが遊びにきていること以外はいつも通りだ。
いつもと同じようにゆったりしているメンバーの横を通り自室へ戻る。
さっきリビングにチェウォンオンニがいなかったから、
てっきり部屋にいるものだと思っていたけど見当違いだったみたい。
部屋には誰もいなくて、少しだけ荒れたチェウォンオンニのベッドがあるだけで。
カバンから資料だけを取り出して、オンニと共用の机に向かう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!