sideあなた
……私の…家の…
……リビング…?
ソファから体を思いっきり起こすと、小さく頭痛がした。
…今何時!
…そうだ、今日17時にマサイと会うはずだったのに…
…居ても立っても居られない!
今マサイは無事なんだろうか…
すぐそばにあったスマホを手に取り、通話履歴からマサイの電話番号に電話をかける。
無事でよかった…と心の中でつぶやいた。
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てなわけで今日17時になったらマサイと会うわけなんですが……
今15時で…早めに支度しておかないと…
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色々な服を手に持って、鏡とにらめっこし続けている。
……決まらない…!
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この服だったら赤?いやブラウン…?
今度はアイシャドウパレットを手に、鏡とにらめっこだ。
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頭身鏡で、最終確認!
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!?!?!?
目の前に立ちすくむマサイ…もとい推しは…
自分より何センチも身長が高くて、画面で見るよりずっとカッコよくて、首を傾げている仕草が可愛くて…
そうだよねそれが普通だよね…
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踵を返して駅のホームへ向かおうとしたとき、後ろから手首を掴まれた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。