第92話

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2020/11/15 13:42
ダダダッ
銃兎
銃兎
早くここから逃げましょう。
今、他の人たちも裏から逃げているので。
貴方
貴方
ねえ待って‼︎‼︎
でも肝心な便追組のこと…‼︎‼︎
あたしたちは走って出口に向かうことに。
銃兎
銃兎
それは……
左馬刻
左馬刻
俺が行くでいい。
貴方
貴方
左馬刻さん!?
左馬刻
左馬刻
お前らは先に行け。
貴方
貴方
嫌だ…‼︎‼︎
左馬刻さんに何かあったら‼︎‼︎
すると







近くから怒鳴り声が聞こえた。
貴方
貴方
!?
あたしはその方向へ向かう。
左馬刻
左馬刻
あなた‼︎‼︎
理鶯
理鶯
どうする、銃兎。
銃兎
銃兎
ハァ……
理鶯はこの高校生を連れて行って逃げてください。
私はあなたと左馬刻を追いかけます。
理鶯
理鶯
あぁ、わかった。

















生徒会長
生徒会長
なんだお前は…‼︎‼︎
??
なんだって言われても……
俺はヤクザだ。
生徒会長
生徒会長
な、なぜヤクザなら話をわかってくれない‼︎‼︎
??
約束したはずだ。
今日までに人数を集めなきゃ俺はお前を天慈組に入らせない。
生徒会長
生徒会長
なぜだ…‼︎‼︎
後ちょっとだったのに…‼︎‼︎
??
悪いなぁ……
ヤクザってそういうものでな……
というより…
俺の妹を誘拐させたってのはどういうことだ……
生徒会長
生徒会長
!?
妹だと!?
ダダダッ
貴方
貴方
やっぱりいた…‼︎‼︎
そこにいたのは…

















爽秀(そうしゅう)
爽秀(そうしゅう)
おー、あなたじゃないか。
悪い、今取り込み中なんだ。
邪魔しないでね。
生徒会長に銃を突きつけた爽秀がいた。
貴方
貴方
なにしてるの⁉︎
やめてよ!!
その子…まだ高校生なのに…‼︎‼︎
爽秀(そうしゅう)
爽秀(そうしゅう)
あ…??
悪いけど、こいつはヤクザの世界に飲み込んでる。
さらに約束を破ったやつには消えてもらわなきゃいけないからね。
貴方
貴方
そんなことしなくても…‼︎‼︎
左馬刻
左馬刻
あなた‼︎‼︎
貴方
貴方
左馬刻さん…‼︎‼︎
爽秀(そうしゅう)
爽秀(そうしゅう)
なんだ…お前もいたのか。
貴方
貴方
今回の誘拐事件…便追組と天慈組が繋がってたってこと…?
爽秀(そうしゅう)
爽秀(そうしゅう)
……まあそうやって思っておけ。
俺は詳しく言えない。
爽秀は生徒会長に銃を再び突きつける。
爽秀(そうしゅう)
爽秀(そうしゅう)
今回は忙しくてお前のこと考えられない。
悪いな、あなた……
これが俺の仕事だ。
見ない方がいい。
貴方
貴方
やめて‼︎‼︎
そんなことしたら……本当に…‼︎‼︎
左馬刻
左馬刻
あなた。
左馬刻さんはあたしの手をとる。
左馬刻
左馬刻
……行くぞ。
貴方
貴方
なんで⁉︎
左馬刻さんまで…‼︎‼︎
左馬刻
左馬刻
ヤクザにはヤクザのやり方があんだよ。
あなた…お前には止めることができねえ。
貴方
貴方
左馬刻さん……
本当に打つの…?





怖くて見ていられない……
あたしの足は震えていた。




早くここから逃げないと……





でも、足が動かない。





すると





左馬刻さんは






あたしを抱き上げた。
貴方
貴方
え…??
左馬刻
左馬刻
ここから出るぞ。
俺らはここにはもう用がねえからな。
貴方
貴方
さ、左馬刻さん……
左馬刻
左馬刻
……行くぞ。
貴方
貴方
………
あたしは左馬刻さんの首にしがみついた。
あたしは爽秀と生徒会長の顔を見なかった。





しばらくすると






バンッ‼︎‼︎
銃声の音が遠くから聞こえた。
貴方
貴方
っ……
左馬刻
左馬刻
悪いな、あなた。
これがヤクザの世界なんだ。
貴方
貴方
……わかってます。
でも…残酷すぎる。
左馬刻
左馬刻
………あなた。
貴方
貴方
ごめんなさい。
あたしったらまた馬鹿なこと言ってる…
左馬刻
左馬刻
いや、お前が正しい。
それが普通なんだ。
でも俺らにとっちゃあ、あれが当たり前になってる。

貴方
貴方
そうなんですね……
怖い……




とても怖い。







ヤクザは本当に怖いと思った。






でも……






左馬刻さんは違う。





とても暖かいし、しっかりあたしを守ってくれる。





貴方
貴方
左馬刻さん……大丈夫…ありがとう……
左馬刻
左馬刻
なにがだよ。
まぁ、俺はお前が無事ならそれでいいからな。
あたしと左馬刻さんは銃兎さんと合流してここの倉庫から出た。






誘拐事件のことは、謎に包まれることになった。





高校生のみんなは無事に帰って来れたそう。





生徒会長以外は。




















左馬刻サイド




銃兎
銃兎
寝たのか、あなた。
左馬刻
左馬刻
あぁ、わりぃな。
家に来てもらって。
銃兎
銃兎
別にいい。
聞きたいことがあるんだろ?
左馬刻
左馬刻
あぁ。
銃兎
銃兎
言っておくが、
倉庫には血痕がどこにも見つからなかった。
左馬刻
左馬刻
…やっぱりか。
あいつ…わざと撃ったのか。



だから奴は撃たれてない。




逃げたか…





それともあいつに捕まって……
銃兎
銃兎
本当のことを言わなくてもいいのか?
左馬刻
左馬刻
言っても信じるかわかんねえしな…
銃兎
銃兎
今後も捜索は続けるが、これ以上は入るなよ。
左馬刻
左馬刻
わーってる。
じゃあ、悪かったな。
銃兎
銃兎
あぁ。
銃兎は出て行った。





俺は部屋に入り、あなたの様子を見る。
貴方
貴方
んん……
左馬刻
左馬刻
あなた……
こいつには無理をさせちまった……



だいぶ身体的にも精神的にも疲れているんだろうな……
貴方
貴方
んー……
左馬刻さん…?
あなたが目を覚ました。
左馬刻
左馬刻
あなた、疲れてねえか…?
まだ寝ていろよ。
まだ夕方だからな…
外を見るとまだオレンジ色に染まってた。
貴方
貴方
ご飯は…?
左馬刻
左馬刻
なんか頼めばいいだろ。
今は休んでろ。
貴方
貴方
じゃあ左馬刻さんも一緒に布団入って…?
左馬刻
左馬刻
…あぁ。
俺は布団の中にはいり






ギュッ





あなたを抱きしめた、
貴方
貴方
左馬刻さんあったかい……
左馬刻
左馬刻
……あなた。
貴方
貴方
離れちゃやだよ…??
左馬刻
左馬刻
…誰がこんな最高な女手離すかよ。
貴方
貴方
そんなこと言って……
左馬刻
左馬刻
信用できねえか…?
貴方
貴方
そんなこと…
左馬刻
左馬刻
怖かったら逃げればいい。
俺といると辛いなら離れればいい。
そう思ってるが……
貴方
貴方
嫌だ…そんなこと言わないで…… 泣
左馬刻さんとは離れたくない……
あー…可愛すぎてしょうがねえな。



嫌いって言っても手離す気なんてねえからな。




たとえあなたが逃げたとしても俺は追いかけて見つけるからな。




それくらいこいつは手放したくない。




狂いそうなくらいあなたのこと好きだから。



こいつも俺様のところ離れる気はねえからな。




それくらいわかってる。








貴方
貴方
もうちょっと寝る……
左馬刻
左馬刻
あぁ、わかった。
まだこいつは俺らの世界を分かってねえからな。




少しずつ受け入れてもらうしかねえのか…




そう思いながら俺とあなたは眠りについた。



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