第47話

[二条]② 義勇への祈り
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2020/06/07 05:13
梅の花が開き始めた頃、新しい二条で、
義勇への祈りを行う法会が催された。
(なまえ)姫
あなた姫
いつかのわたしも
梅の花が咲くのを待っていた…
梅の香りが、
あなたの記憶を呼び覚ます。
(なまえ)姫
あなた姫
ああ…
あれがすべての始まりだった

父が亡くなり、
炭治郎に出会い…
義勇と心通わせ…
そして無一郎と…
無一郎(紫の上)
無一郎(紫の上)
あなた、皆おそろいだよ
(なまえ)姫
あなた姫
うん、今行くわ



うららかに晴れ、御仏の降りた二条に
笛や鼓の音が響く。
(なまえ)姫
あなた姫
善逸、天の光と繋いでおくれ
琴を…
善逸(末摘花)
善逸(末摘花)
はい、あなた様…

ポロロン…
善逸の琴が、笛や鼓に重なり、
御仏の慈悲をいざなう
杏寿郎(花散里)
杏寿郎(花散里)
よもや、義勇様の魂に、
舞いを捧げよう
杏寿郎が舞うと、
萌え出る木々、鳥の鳴き交わす声…

生きとし生けるものに、光が満ちる。
小芭内(明石の君)
小芭内(明石の君)
勇霧、よく見ておくんだ
おまえの父、
義勇様はきっとあの光の中だ
勇霧
誰かがほほにふれた…

父さま…
なのかな…
(なまえ)姫
あなた姫
きっと義勇よ(*^_^*)
暖かな光が、勇霧を包む。
錆兎(空蝉)
錆兎(空蝉)
あなた様
(なまえ)姫
あなた姫
錆兎、祈りを頼むわ
錆兎(空蝉)
錆兎(空蝉)
高名な僧でなく、俺でよいのだろうか
(なまえ)姫
あなた姫
義勇が生きていたら、
錆兎、あなたと友人になったと思うの
錆兎(空蝉)
錆兎(空蝉)
俺が義勇様と?
(なまえ)姫
あなた姫
ええ(*^_^*)

あなたと義勇は、いつかの世で、
きっと同志になるわ
錆兎(空蝉)
錆兎(空蝉)
わかった
では祈りを捧げよう
二条に錆兎の静かな祈りが響く。
無一郎(紫の上)
無一郎(紫の上)
僕も、祈るよ…
無一郎(紫の上)
無一郎(紫の上)
御仏の御法が
限りなきもののように…

義勇様の想いも
この世に限りなきものとなれ…
いっそう強い光が、天からふりそそぐ。
(なまえ)姫
あなた姫
義勇…

あなたとはまた…
きっと別の世で会おうね…
(なまえ)姫
あなた姫
世々にと結ぶ 魂よ…
二条を静寂が支配する。
(なまえ)姫
あなた姫
義勇…

この法会がご縁となり
またいつか…
義勇(葵の上)
義勇(葵の上)
あなた…
勇霧
父さま…?
無一郎(紫の上)
無一郎(紫の上)
義勇様…
錆兎(空蝉)
錆兎(空蝉)
義勇様の魂よ…
安らかに…


やわらかな風があなたのほほをなで、
そして天へと昇って行った。

静寂が消え、笛や鼓の音が戻ると、
あなたは、静かに涙を流した。
無一郎(紫の上)
無一郎(紫の上)
あなた…
(なまえ)姫
あなた姫
うん…無一郎…

暖かな光だね


この世は、儚い…。

法会を閉じる、無常の鐘が、
いつまでもあなたの中に、鳴り響いていた。






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