シャーー
ああああああぁ…
身体も頭も全部洗い終わったのにお風呂から出られないのは、菊池と顔を合わせるのが辛いから。
あ、嫌とかじゃなくてさ…
俺、自分の気持ちコントロールするの苦手だから菊池の邪魔しちゃうんじゃないかって凄い怖いんだよ…
菊池は、優しいから俺のわがままを受け入れてくれる。
そしたら自分の時間は無くなるし、台本だって覚えられない
それプラス動きだって覚えなきゃいけない
なのに…
俺は菊池の邪魔することしか出来ない…
舞台を成功させないといけない…分かってるのに…
「はぁ…」
出よう。
菊池に迷惑かけないように俺が頑張ればいいんだよ…
「ふぅ〜…
菊池〜、でたよ〜…っ…!」
風磨「おっせぇんだよ」
「ちょ、い、痛いよ…」
菊池は俺の手を引いて壁に思いっきり押し付けた
壁ドン…に近い感じ…です。
「菊池、」
風磨「…俺がせっかく我慢してたのに
お前襲われてぇの?」
「は、はぁ?」
風磨「何その格好
なんで上半身裸なんだよ」
「だ、だって暑いから…
っていうか、はなして!」
これ以上菊池と密着してると俺の我慢が無駄になる
せっかくさっき意志を固めたのに…
風磨「離さねぇから
部屋行くぞ」
「え、え!?
ちょ、菊池!!」
俺の手を引かながらどんどん寝室に近づいていく菊池
え、ええぇ!?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!