獪岳から逃げて約2時間
ようやく目的の場所に到着した
やっと来たか
刀鍛冶の里だ、本来なら隠だったか
その人たちに連れてきてもらわないと
いけないのだけれど
鋼鐵塚さんに道を教えてもらったので
私だけが唯一生き方を知っている
お待たせしました
刀の調子はどうだ
刃こぼれも特にしてないし
状態も、凄くいいよ
見せてみろ
とりあえず鋼鐵塚さん家行こうよ
こんなところで広げてもなんだし
そうだな
鋼鐵塚さんの家に着いて
刀を見せた
どうです?
嗚呼、刃こぼれも全くないし
刀の色も綺麗だ
洋紅色…でしたか
嗚呼そうだ、洋紅色
綺麗だな、お前によく似合っている
それと、頼まれていたものはできているぞ
ありがとう
にしても、どうしたんだよ
小刀が欲しいなんて
刀を投げるのはもう嫌だから
小刀なら投げれるしいいかなって
お前刀を投げたのか!
え?まぁ、はい
はぁ…
すみませんでした
やむを得なかったんです
まぁいい、小刀にしろよ、投げるなら
もちろん、
ってこれから遊郭に行かなきゃ…
上弦がいるっぽいんですよね
どっからそんな情報来るんだよ
え?ひなたが仕事してくれるので
鳥仲間に教えて貰ってて
ほかの鴉より優秀だな、
でしょ?では、もう行きますね
あ、待て、刀研がせろ
あ、はい
1時間ほどでできた
では、今度こそ行ってきますね
またな、あなた
遊郭には3時間位で着いた
さてさて…どこに潜んでいるのやら
あなた、あそこにいるのって
音柱と、竈門、嘴平、我妻じゃない?
なにあれ…ブッサイクだな…
え、女装してるってことは
あいつらもここに潜むの…?
そうだと思う…
はぁ…邪魔者が増えるばかり…
どうする?
めんどくさいし内側からの
潜入はしない
鬼が本格的に活動するのを待つ
わかったそうしよう
日にち、が経ち…
さぁて…鬼が動き始めたね
みーつけた
は?あんた誰よ
私?さぁ、誰でしょうか
どうでもいいわ、
あんた綺麗だし喰ってあげる
食べても美味しくないと思うけれど
ヒューッヒューッ
息しないと…死ぬよ?
息したら?
っ!ゲホッゲホッ
話してる暇あんのかしら!
スパッ
あるよ、それに、話してないしね
斬られた…あたしの頸…!
あーあー、うるさいうるさい
死ね!死ね!みんな死ね!
お兄ちゃぁあん!
死ね…殺してくれるの?
殺してやる!
頸位自分でつけろよなぁあ
速い…
お前なんでここに!
ふーん…
ザシュッ
音柱の言葉を無視し
自分の腕を刀で斬った
お前何やって!
うるさい、黙って
ドンッ…ビチャ
止めたなぁ
死ぬ気で斬ったんだけどなぁ
やるなぁ
ふぅぅぅ…雷の呼吸 弐ノ型・稲魂
!
雷の呼吸の使い手かぁ
速いなぁ
いいや、違うね
なんでもいいけどさ、頸斬らせてよ
無理な話だなぁ
お前たちは俺たちに殺される
だろうしなぁ夜は長いからなぁ
殺してくれるんだ…
やっとだ…やっと死ねる…
死にたいみたいよ!
とっとと殺しましょ!お兄ちゃん!
そうだなぁ、殺してやるからなぁ
2体1でいいよ…
他の奴らには構わなくて
いいわ、2体1にしましょ
ふざけんな!
勝てねぇだろ、上弦に対して一人じゃ!
ブツブツうるさい、見てなよ
ドガァンッ
壁に大きな穴が空いた
それと同時に上弦2人が外に飛ばされていた
なっ…どういうことだ…
がハッ!
いったい!よくもやってくれたわね!
これは効いたなぁ…
タタタッ
おやおや、足元がおぼつかないようで…
猫に木天蓼鬼には稀血…
私の血で鬼は酩酊する…
どう?稀血の中のさらに希少な稀血の匂いは
稀血なのね…あの方が喜ぶわ!
あんたを殺す!
殺してくれたら嬉しいのだけれど
私を殺せるかな?
私が君たちを殺すのが先かな?
どっちかな?
俺たちの方が先に決まってるよなぁあ
そう、じゃあとっとと始めよ…
夜はまだまだ長いのだから
曲がれ、飛び血鎌
!
ガキィン
へぇ…面白い…今までにはない感覚だよ
一人で…二人を相手に…
とっとと死にな!
っ!がハッ!
…気づかなかったなぁ
やっぱ…きついのかな…
鍛錬しても無理なもんは無理か…
しぃぃぃぃい…風の呼吸…参ノ型晴嵐風樹
あぁぁあ!斬られた!また斬られた!
くそ!くそ!お兄ちゃんどうにかして!
血鬼術 跋弧跳梁
っ!
ガキンッ
かったいなぁ…なんで斬れないかなぁ…
もうそろそろきついよなぁ
毒が体に回ってるからなぁ
仲間も助けてくれねぇしなぁ、惨めだなぁ
はい?毒なんて…余裕だけど…
それにあいつら、仲間じゃないし
危ない!
ガキィィィィン
2体1なんて、カッコつけんじゃねぇよ
宇髄さん!
助けられなくても、避けれた!
はいはい、地味に強がってねぇで
素直にありがとうって言えよ
ちっ
ダッ…
あたしは地面を思いっきり踏み
上弦の元へ突っ込んで行った
小刀なんて、無意味だよなぁ
刺さったところで
死ぬわけじゃねぇしなぁ
さぁ…それはどうだろうね…!
音の呼吸…肆ノ型響斬無間!
体が再生しねえ…
この仕込み刀藤の花の毒が
盛られてやがったなぁ…
ご名答…
血鬼術 円斬旋廻・飛び血鎌
!(防ぎきれるか分からない…)
霞の呼吸 漆ノ型 霞初月
お前は運のいいやつだなぁ…
はぁ…はぁ…そりゃどうも…
もう1人の柱は瓦礫の下敷き
他の奴らももう無理だろうなぁ
まだ、あたしは死んでない…
グッ…っはぁ…
カチャッ…
あたしは刀を構えて立ち上がる
残念だよ…今回も死ねないなんて…
何言ってやがる…
お前は死ぬんだよぉ
死なないよ…先に死ぬのは…お前だから!
持ちこたえろ!あなた!
あと少しだ!こっちも斬れる!
うるさい!わかってる!
ガッ!
お兄ちゃん!何とかして!
死んじゃう!死んじゃうよぉおお!
さようなら!上弦の鬼!
指文字だなぁ!気にしてなかったが
指文字で会話して嫌がったかぁ!
仲間じゃねぇなんて嘘だったんだなぁ!
仲間じゃねぇかぁ!
仲間じゃないよ!
スパッ…
斬った!
逃げろ!
あー…防ぐだけ防ご…
でも、やっと死ねるのか…
馬鹿言うな!お前も逃げんぞ!
え…はなして…よ!
*
*
*
*
相手の最後の攻撃からは
みんな逃げることが出来た
もちろん私も
逃げる気なんてなかった
だけど音柱が無理矢理助けたから…
…い…ろ
お…き…
ん…
おい!おきろ!
あれ…毒が…消えてる…
お前のおかげで
俺たちはみんな無事だ
感謝する
あっそ…別に、助けてないし…
もう…ほっておいてよ…
私に近寄らないで…
お前、その怪我痛いだろ
無理すんなよ
うるさい…これぐらい平気だ…
…どういうことだ
この戦いであいつらは生き残ったのか?
なぜそいつはこんなに怪我をしている
俺たちを庇いながら
上弦の鬼と戦ってたんだよこいつ
最後首を切る前の技で
俺が指文字で合図をした
人を信用しないとか言いながら
それにこいつはしたがい、頸を斬れた
従ってなんかない…
お前の勘違いだ…はぁっ…
あたしだってお前たちと怪我の
状態はさほど変わらない…
あの猪は身体を貫かれ
鬼を連れた奴は骨を折っているし
呼吸が出来なくて死にそうだった
それに目も充血してる
あの金髪だって足がダメになってる
それに音柱、お前だって片目の視力が
落ちてるはずだ…
よくそこまで気づいたな…
そんなこと誰でも気づきます…
馬鹿でもね…
…(人をよく観察しないと
分からないところまで…)
さよなら…もう任務は終わったし
帰る…か…ら…
立ち上がったのと同時に
急激に目眩がし
意識を手放したのと同時に倒れ込んだ
どうやら眠ったようだった
…おい宇髄
こいつは俺が連れて帰る
お前は嫁達に見てもらえ、いいな
わかった、頼んだぞ伊黒
嗚呼
ヒョイッ
お姫様抱っこをしてみると
ものすごく軽かった。しっかり食っているのかこいつ
起きたら飯でも食わせてやろう。
しばらく歩いていると、声が聞こえてきた。
ごめんなさい
私のせいで
許して…
そんな言葉だった。
飯を食わせたあと話を聞こうと思う
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。