(77話)
どうしてここにヒーローがいるの?
ミッドナイト先生、プレゼント・マイク先生、スナイプ先生、エクトプラズム先生、ブラドキング先生…
担当じゃ無い筈なのに……
どうしてここにいるのよ!?
苛立ちを隠そうと必死に、首を掻く。
あ…
そういえばここには青山くんもいるんだった…
上手く誤魔化せたかな…?
今はとにかく、連合の皆が無事かばかりが気になる。
そんな事とは露知らず、警察の方が私達生徒を誘導する。
私はずっとソワソワしていて、警察の話なんて微塵も入ってこなかった。
明日は休みらしい。
アジトにでも行こうかな…
思うだけで結局実行せず、ビデオ通話でどうなったかを話し合った。
in学校
教室はUSJでの事件の話題で持ち切りだった。
そこに冷水をかける様に
「ガラッ」
っと音を立てて扉が開く。
きっと、お茶子ちゃんの言った事はここに居る大半の人が思っただろう。
私とは違う意味で。
教室が、歓喜の声で溢れ返った。
ミッドナイト先生が教室のドアを勢い良く開ける。
2つ後ろの席に異様な気配を感じるのは目を瞑っておこう。
ヒーロー基礎学は1番嫌いな教科なだけあって、かなり退屈。
ノートは落描きで埋まって、最早落描き帳に板書をしているのか、板書用のノートに落描きをしているのか、という状態にまでなっている。
バレるとこだった…
跳ねる心臓をこっそり撫で下ろし、返事をする。
すると、ミッドナイト先生は近付いてくる。
えっ?何?
心臓は休まりそうに無い。
スッ…
ミッドナイト先生はそのまま私の横を通り過ぎ、
殺気を放って峰田くんの元へ向かった。
背中から伝わる。
それは恐怖だったと思う。
峰田くんの泣き声が、教室を包み込んで
1限目の終わりを告げるチャイムが鳴った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!