そう言われたのに体が動かなくて、行きたいのに体が固まって。
そこからの記憶はない。気づいたら席に座ってて。
そう言ってカメラを渡してくれた。すごく綺麗に撮ってくれてる……。
とりあえず今は写真撮ることだ。ソナオンニのために無我夢中で撮りまくった。
帰ってきたソナオンニの目はハート。
あの時のテヒョンさんの顔と言ったら……悪魔だよ
その後はフォトタイムと質問コーナー。
さっきのことは忘れてこの時間はヲタクしよう。
せっかく来れたんだもん。
「テヒョンオッパ〜」とか「ジミナ〜」とかたくさんの声が飛び交う。
私は声を発さずにひたすら撮って撮って撮りまくる。
いまならヲタクの気持ちわかる。
“推しが尊い!”
……けど、やけにテヒョンさんがこっちに視線を送ってる気がする。
私の席は後ろだし気の所為だよね……。多分、私の前らへんに可愛い子が居るんだよ、きっと。自意識過剰はやめろ、自分。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。