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第5話

2人の関係は?
桜庭 律
のぞむー! パス!
草飼 望
草飼 望
はーい、任せてー! シュー、トッ!
女子生徒一同
きゃーーー!!


 男子はサッカー、女子はハンドボールで体育の授業中。

 いつもふんわりマイペースなのぞむからは想像できないけど、案外スポーツもできるらしい。


 どんな面を見ても思うけど、これは人気にならないわけがない。


 そんなことを思っている私も、めずらしくかっこいい彼を自然と目で追ってしまう。

女子生徒1
きゃっ!


 私が彼に見とれていると、1人の女の子にぶつかってしまった。

 よろけているその子のうでを掴み、なんとか転ばないように支える。

茨野 透花
茨野 透花
ごめんなさい、よそ見をしてて。 足ひねってない? 掴んだ腕も痛めてないかしら?
女子生徒一同
私こそごめん! いばらひっ……、茨野いばらのさんに助けてもらえるなんてむしろラッキー! ありがとう!


 うっすらとほおを赤く染めた女の子はそう残し、友達のいる方へと走って行ってしまった。

鈴城 夕凪
ひゅー! 透花とうかちゃんも望に負けずかっこいいねー
茨野 透花
茨野 透花
かっこいい?
鈴城 夕凪
だって、華麗かれいに転びそうな女子を助けたんだよ? 優しく無事を心配して、かっこよさ花まる!
茨野 透花
茨野 透花
私がよそ見してたんだもの。当たり前よ
鈴城 夕凪
それは向こうも同じ。ま、その謙虚けんきょさも透花ちゃんのかっこよさかもね。
あ、さっきので靴下くつしたに砂かかっちゃってるよ
茨野 透花
茨野 透花
あぁ、本当ね。ありがとう


 私は靴を脱いで砂を出し、靴下を手で叩いた。なにか違和感いわかんを感じて足先のい目をよく見てみると――。

茨野 透花
茨野 透花
(これ……、靴下裏返しでいてるじゃない!)


 私はすぐに靴を履き直して見なかったことにした。

 授業が終わって制服用の靴下に履き替えるまでの辛抱しんぼう。それまで誰にもバレなければ大丈夫。

茨野 透花
茨野 透花
(もう気付いちゃったから恥ずかしいのは変わらないけど!)










 午前の授業は終わり、至福しふくの昼休み。

 もちろん、体育の授業後、私は誰にもバレずに靴下を履き替えることができた。

草飼 望
草飼 望
はぁ~、体育がある日は……眠気が、最強だなぁ


 彼はうとうとしながらゆっくりと口を動かしてパンを食べる。

鈴城 夕凪
パン喉に詰まらせないでよ?


 鈴城さんが注意してすぐに、彼は舟をこぎ始める。

 そのまま倒れてしまいそうで、私ははしを置いて彼の体を支えた。そうすれば自然とこちらに寄りかかってきて、私はそのまま動けなくなってしまう。

茨野 透花
茨野 透花
一度眠ったら?
草飼 望
草飼 望
そう……しよう、かな~


 彼は寝言のようにそう呟き、私の肩をまくらにして意識を手放した。

茨野 透花
茨野 透花
(え、このまま?)
桜庭 律
電池切れだな
鈴城 夕凪
たまにあるよねー


 近すぎる距離に鼓動こどうは速くなり、今すぐにでも離れたい気持ちでいっぱいだ。

 けど、幸せそうに眠る彼を起こしたくはない。


 私は食べかけのお弁当箱を閉じ、一緒に眠ることにした。

鈴城 夕凪
え、透花ちゃんもう食べないの?
茨野 透花
茨野 透花
動いたら起きちゃうかもしれないし、私も寝るわ
桜庭 律
少しくらい乱暴にしたっていいよ
茨野 透花
茨野 透花
ふふっ、それは……可哀想よ。……おやすみ


 彼と触れ合っている場所から温もりが伝わってきて、私はすんなりと夢の中へとしずんでいく。















 またまぶたを開けた時、私は雲の上にいた。

茨野 透花
茨野 透花
またあの夢ね


 眠る前に感じていた温もりはそのままそこにあり、夢の中でも彼は私の肩を枕にして眠っていた。

茨野 透花
茨野 透花
夢なら平気よね?


 いつか彼がしてくれたように、私はふわふわのかみをそっとでてみる。

 細くて柔らかいサラサラの髪はとても触り心地が良く、いつまでも撫でていられそうだ。


 夢だからと調子に乗った私に、ちょっとしたいたずら心が芽生えてしまう。

茨野 透花
茨野 透花
男の子なのに、はだきれいなのね。
ふふっ、耳たぶ柔らかい
草飼 望
草飼 望
ははっ、……くすぐったいよ
茨野 透花
茨野 透花
えっ……


 まさか夢の中で眠っている彼が反応を見せると思っていなくて、私は咄嗟とっさに手を離した。














    カシャッ! カシャッカシャッ!




 前よりも騒がしい声とシャッター音が聞こえ、私は恐る恐る薄目を開ける。


女子生徒1
えー、写真撮れたのー!? 私、人多すぎて撮れなかったー
男子生徒2
じゃあ、100円でこの写真送ってあげるよ
女子生徒1
えー、お金とるのー? けど、欲しいからいいよ!
男子生徒1
まいどー!


 前とは比べ物にならないほどの人だかりが目の前に広がっている。

茨野 透花
茨野 透花
(売り買いするほど!? どんな写真を……)



 近くにいる子の画面には、私と望が寄り添っている写真が写っていた。




   ドキッ ドキッ ドキッ



茨野 透花
茨野 透花
(あれ、私と望よね? あんなにくっついて……なんだか恋人みたいに見える)
茨野 透花
茨野 透花
(どうしよう、心臓が壊れそうなくらいうるさい)
茨野 透花
茨野 透花
(こんな風に寄り添って、一緒に眠って、……私と望の関係って何になるのかしら?)


 友達、親友、それとも、あの写真のような恋人。


 どれにあたるのか、自分がどの関係を望んでいるのか、わからない。

草飼 望
草飼 望
ふふっ
桜庭 律
あ、やっと起きた? 2人ともよくこんな囲まれてて眠れるよな
鈴城 夕凪
あ、透花ちゃんも起きてたんだね! おはよう
茨野 透花
茨野 透花
おはよう
草飼 望
草飼 望
んー、……透花
茨野 透花
茨野 透花
なに?


 彼はまた寝ぼけているようで、私の肩にぐりぐりと頭を擦り付けてくる。

草飼 望
草飼 望
もう少し、頭撫でて
茨野 透花
茨野 透花
え? もう少しって……?
茨野 透花
茨野 透花
(私が撫でてた時って……夢の中よね?)
桜庭 律
盛大に寝ぼけてるな。望、起きろ
草飼 望
草飼 望
……あれ、頭撫でてくれたでしょ? 耳とか、……いたずらされて
茨野 透花
茨野 透花
(まって!? そんなに細かく同じ夢を見てるって、……ありえる? けど、確かに私がやったことよね)


 頭がえた望は夢かぁ、と残念そうに眉をひそめて起き上がる。

女子生徒1
ねぇ、2人って付き合ってるの?
茨野 透花
茨野 透花
え……
女子生徒2
いやいや、恋人未満友達以上でしょー。初々しいもん
???
好きな人の前では自然と笑顔になるものでしょ?
いばら姫っていっつもクールだし、恋人は違う気がするー
茨野 透花
茨野 透花
(確かに、そうよね。やっぱり、私は望を恋人みたいに好きなわけじゃ……)


 事実、私は望の前でもまだ表情が固いことの方が多い。

 さっきまで速かった鼓動は落ち着きはじめ、少し気持ちがしぼんでしまう。

草飼 望
草飼 望
透花?
みんなはみんなで盛り上がってるし、まだ授業まで時間あるから、俺たちはもう少し寝ちゃおうよ
茨野 透花
茨野 透花
……うん
女子生徒1
待って待って! 寝る前に、実際のところはどうなの?
草飼 望
草飼 望
うーん、透花の可愛いところならみんなより知ってるよ。俺たち仲いいもんね
茨野 透花
茨野 透花
(可愛いところってなに!? みんなの前で……そんなこと言うなんてっ!)
茨野 透花
茨野 透花
そうね
女子生徒3
えー! なにそれー、尚更どんな関係か気になるー!
草飼 望
草飼 望
ははっ、秘密