第2話

出会い
30
2019/06/23 21:22
ゆっくりと目を開けると家ではないどこかの天井が目に入った

病院だ

私はここに至るまでの経緯を思い出していた

下校途中、信号無視の車が突っ込んできて
それで

「うち…轢かれたんだ」

小さく声に出てしまった
ふと足元を見ると包帯でぐるぐる巻きにされてる

本当なんだと実感した途端、心の底から思った
"生きてて良かった"

それと同時に嫌な記憶も蘇ってくる

二年前のあの事件

思い出すだけで…苦しい

少しずつ呼吸が乱れていく
うまく息が吸えない 

「大丈夫?」

突然声を掛けられた
涙でまともに目が見えず
返事ができるはずもなかったため
小さく首を横にふった

するとその人は背中を擦りながら

「大丈夫、一人じゃない」

その暖かさに私は涙を止めることはできなかった
呼吸音は正常に戻ったようだ

「ええっ!ここは泣き止むとこでしょ!」

「ふぇ?」

「いやいや!ふぇ?じゃねーよ!」

「せっかく柄にもなくかっこよくしてたのに!」

「…いや知らないよそんなん!」

「そこは、泣き止んで」

「「うん!ありがとう!大好き!」だろ!」

「いや、漫画の読みすぎだよ!」

「まあ、ありがとう…」

「でも、初対面で大好きはなんでしょ!」

「おまっ!時代遅れだぞ!」

「そんな時代きてないし!」

お互いに言い合ったせいで
肩が上下に動いている

だが、知らない内に涙はとまっていた

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