第48話

story46
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2020/12/19 08:41

















無一郎と有一郎が死んだ。





















仲のよかった青年からその事を聞かされた。


当然すぐには信じられなくて。


でも、何日経っても、


二人が私の前に現れることはなくて。


それが現実を物語っていた。


二人は、という生き物に殺されたらしい。


鬼は元人間で、


その始祖から血を分け与えられることにより鬼になる。


鬼になると日の光を浴びることができず、


また、人を喰わねばいきていけない。


無一郎と有一郎は、その鬼に襲われた。


たった一晩のうちに、殺された。


有一郎は遺体が残っていたものの、


無一郎はそれすら残っていなかったという。


おそらく、鬼に喰われたのだと思われた。


嘘だ、ありえない、信じない、


いくらそう思っても、二人は戻ってこない。


例のもう一人の青年は鬼を恨み、


「二人の仇をとってくる」と行ったまま


二度と帰ってこなかった。


無一郎達が死んでから、3週間の事だった。


たった3週間で、大切な人達がみんないなくなった。


両親が亡くなった時でさえ、


こんな風に絶望を感じなかった。
























憎かった。



でもそれ以上に、


他にもこんな思いをしている人が


沢山いるという事実に


心が押し潰されそうだった。


村の長老から


鬼殺隊きさつたい


の存在を聞いた。


古から存在する、政府非公認の組織だという。


人々を守るため、鬼を狩る組織。








もう誰にも、こんな思いをして欲しくない。


誰にも、私と同じ思いはさせない。
























私は、鬼を狩って人を守ることを決めた。






































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