久しぶり…?
何言ってんだこの男…
それになんで私の名前知ってんだ…
私の、前世………?
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【不死川実弥side】
唐突に、寒気がした。
この感覚はしばらくぶりだ。
俺と同じく、職員室に残っていた宇髄に
俺の心の中を代弁される。
そうだ。
今頃アイツはバイトが終わって、
ちょうど家へ帰ってる途中の時間だ。
「大丈夫です」って言ってきたんだ。
俺が行っても……
なんでこんなにも焦っているのか、
自分でも説明できないが、
後から聞こえた
宇髄の「今度飯奢れよー」
という声が
左耳から右耳に突き抜けていくほど、
俺は天瀬のことを考えていたんだ__
まず速攻でアイツのバイト先である
コンビニへ向かい、
天瀬がもう帰ったことを
確認したあと、
もう通りなれた
天瀬ん家への道を走る。
すると聴こえる男女の声。
片方は、聞き間違えるはずのない、アイツの声…
とりあえず、今無事でいることに
安心したのもつかの間。
続いて聴こえたその声に
アイツのもとへ行こうとしていた
俺の体は動かなくなる。
あいつらが、前世の話を
している事にまず驚く。
そして、天瀬が未だに
前世の記憶を思い出せてない事に
小さな怒りが沸く。
おい天瀬。
お前は、前世で、
その、目の前にいる奴に……
殺されてんだぞ………
アイツの声で、はっと現実にかえる。
そろそろ、助けてやるか…
天瀬がショックを受けないよう、
一般人には普通見えない速さで
コイツの首に手刀を入れる。←え
コイツも、今は鬼じゃないせいか、
あっさりくたばる。
いまいちよく状況を
理解できてないだろう天瀬を連れて、
俺は足早にこの場を去った。
🌟Thank you for reading🌟
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。