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疲れ果てて、休憩室のベンチに
横たわる。
身体中べっとりしていて、気持ち悪い
体が火のように熱くて
動くのも辛い
意識が朦朧として
誰かが近づいてきているのも、分からない
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その人は私を抱き抱えて部屋に連れていった。
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目が覚めると、ベッドの上で寝ていて、
新品の匂いがするパジャマを着ていた。
やっぱり、
ソさんだ
テレビを見ながらそう言った。
そう重く息を吐くと、
私の手を取り
そう言う。
顔が赤くなる。
彼に抱き寄せられる。
前みたいに包まれるような感じじゃなくて、
懐抱するような
少しきつく
でもどこかに優しさがある
そんな感じ
ソさんの体温をすごく感じられる。
お客様と従業員の関係を、思い出す。
ゆっくり離れる。
微笑んでそういう。
彼は私の首筋にキスを落として、もう一度包み込んだ。
でもどこかに
イさんがいて
ミンギュがいる
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!