「始めまして。」
私のママは頭を下げた。
「よろしくお願いします。」
相手のママも頭を下げた。
誰?
私の頭のなかはそれでいっぱい。
「お名前はなんですか?」
ママが言った。
タクヤ
「拓哉です。」
相手のママが言った。
リノ
「莉乃です。」
ママが私の頭に手を置く。
やめてよ。子供っぽい。私はもう一年生なの。
今度は男の子が言った。
私も仕方なく返した。
男の子は元気いっぱい。黒いランドセルをカタカタ鳴らして嬉しそうにしている。
よくいる男の子…。
のはずなのに…
なぜか少し…
仲良くできる気がした…。
ーーーーーーーーキリトリ✂ーーーーーーーー
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。