「これから莉乃ちゃんのお別れ会を始めます。」
司会の友達がハキハキと言う。
11月○日、今日で学校最後の日。
この時間が終われば、次学校に来るのは一年後。
お別れ会は何グループかに別れて芝居や手品をする。
そして最後にサプライズがある…らしい。
私は一番前の特等席で見ることになった。
もちろん拓哉や桜もあっち側で何かを披露する。
楽しい時間はあっという間に過ぎる。
拓哉のグループのダンスも終わり、
桜のグループの芝居も終わり、
最後のサプライズの時間になった。
「では最後に莉乃ちゃんにサプライズプレゼントを渡したいと思います。」
私は黒板の前にたった。
「では…○☓君…お願いします。」
ん…聞こえなかった。
誰だろう…。
私が待っていると、一人の男の子が来た。
そしてクラス全員の手紙の貼り付けられている色紙とを渡してくれた。
「お手紙…読みます…。」
その男の子は持っていた封筒から便箋を取り出した。
「莉乃へ…いつも遊んでくれて…」
手紙の内容をゆっくり話始めた。
その男の子は…
拓哉だった。
-----続く-----
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。