私は今までの友達に別れを告げて、家へ帰った。
リビングで手紙を読み返す。
青い封筒。
折り紙で作られた便箋。
すべてが拓哉らしかった。
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莉乃へ
今まて遊んでくれてありがとう。
一緒に学級委員できてよかったよ。
音楽会出来ないのは悲しいけど、
また帰ってきたら一緒に遊んでね。
○県へ行っても元気でね。
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めくってね
拓哉より
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めくってね…?
青い付箋がくっついている。
私はおそるおそるはがす。
ベリベリ…
そこに書かれていた3文字の言葉を見た途端私の目から涙が溢れてきた。
お別れ会の時は泣かなかったのに…。
行きたくないけど
行きたくないけど
一年だけだから…。
戻ってくるから…。
思い出話聞かせてあげるからね…。
お土産買ってくるからね…。
私も…おんなじ気持ちだよ…。
そこに書かれていたこと…
たった3文字の言葉…。
私も拓哉のことそう思ってるよ。
大好き。
-----続く-----
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。