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第1話

アゲラタム
170
2021/02/26 22:00
名門中学白鷺女子学園前。1人の少女御坂美琴は幼馴染である白井黒子を待っていた
白井黒子
白井黒子
美琴さん!
御坂美琴
御坂美琴
おっと!黒子
御坂美琴
御坂美琴
もぅ。走って抱きつくなんて危ない事しないの
白井黒子
白井黒子
申し訳ありませんの……
白井黒子
白井黒子
美琴さんの姿が見えて……つい
御坂美琴
御坂美琴
たくっ。転ばないようにしなさいよ
白井黒子
白井黒子
はいですの
白井黒子
白井黒子
美琴さんの学校早く終わりましたの?
御坂美琴
御坂美琴
えぇ。まぁね
白井黒子
白井黒子
黒子もたまには美琴さんをお迎えに行きたいですの
御坂美琴
御坂美琴
それだけはちょっとね
白井黒子
白井黒子
どうしてですの?
御坂美琴
御坂美琴
まぁ。色々あるのよ
御坂美琴
御坂美琴
それよりも、クレープ食べに行きましょ
白井黒子
白井黒子
変な美琴さんですの
白井黒子は知らない御坂が自分の学校に来ないように走ってここまで来ている事を。その理由も全て


御坂美琴
御坂美琴
美味しい?黒子
白井黒子
白井黒子
えぇ。とても
御坂美琴
御坂美琴
そう。良かったわね
白井黒子
白井黒子
美琴さんも1口食べます?
御坂美琴
御坂美琴
いや、良いわ
白井黒子
白井黒子
そですの
白井黒子
白井黒子
なら、美琴さんの少しくださいな
御坂美琴
御坂美琴
えっ?
白井黒子
白井黒子
あーんですの。美琴さん
御坂美琴
御坂美琴
……はい
白井黒子
白井黒子
んんー。美味しいですの
御坂美琴
御坂美琴
そう。……
白井黒子
白井黒子
美琴さん?
御坂美琴
御坂美琴
黒子
白井黒子
白井黒子
はい
御坂美琴
御坂美琴
あんまり無闇にそういう事しちゃダメだからね
白井黒子
白井黒子
はへ?
御坂美琴
御坂美琴
わかった?わかったならもう一口あげるわ
白井黒子
白井黒子
分かりましたの
御坂美琴
御坂美琴
よろしい。はい
白井黒子
白井黒子
(。・н・。)パクッ
白井黒子
白井黒子
美琴さん。やっぱり黒子の少しあげますの
御坂美琴
御坂美琴
え?
白井黒子
白井黒子
黒子も美琴さんにあーんしたいですの
白井黒子
白井黒子
はい。美琴さん
御坂美琴
御坂美琴
いや〜。
白井黒子
白井黒子
?美琴さん
御坂美琴
御坂美琴
あーんがしたいならこっちでやって
白井黒子
白井黒子
どうしてですの?
御坂美琴
御坂美琴
誰が好き好んで納豆クリームクレープを食べるのよ
白井黒子
白井黒子
美味しいですわよ?
御坂美琴
御坂美琴
いや、私と黒子の味覚は違うと思うから
白井黒子
白井黒子
そう言わず食べてみてくださいな
白井黒子
白井黒子
美琴さん
御坂美琴
御坂美琴
そう言わずって
白井黒子
白井黒子
いや、ですの?お姉様
御坂美琴
御坂美琴
食べます。はい
白井黒子
白井黒子
えへへー今日も黒子の勝ちですの
御坂美琴
御坂美琴
どうせ、勝った事ないわよ。この戦いに
黒子は時たま美琴の事をお姉様と呼ぶ。それは小学生時代に読んでいたもので、今は違うが、上目遣いに「お姉様」と呼べば大体のことを美琴はOKしてくれる。あまりやると効果が出ない事も知っているので黒子は時たましか使わないが、

美琴は黒子よりも2つ歳上なのでお姉様も間違いではない
御坂美琴
御坂美琴
さっ。帰りましょっか
白井黒子
白井黒子
ん。美琴さんクリーム着いてますの
御坂美琴
御坂美琴
ぅぇ?どこ?
白井黒子
白井黒子
ん。
御坂美琴
御坂美琴
く、黒子!
白井黒子
白井黒子
美琴さん甘いですの
御坂美琴
御坂美琴
バカ!人の顔についたクリームを舐めとるお嬢様がどこに居んのよ!
白井黒子
白井黒子
ここにいますの
御坂美琴
御坂美琴
っ〜ー!
白井黒子
白井黒子
ダメでした?
御坂美琴
御坂美琴
ダメって訳じゃ無いけど……
御坂美琴
御坂美琴
誰にでもそんなことして、襲われても助けてやんないわよ
白井黒子
白井黒子
美琴さんにしかやりませんの
御坂美琴
御坂美琴
黒子のそれは信用出来ない
御坂美琴
御坂美琴
さっ。今度こそ帰りましょ
白井黒子
白井黒子
はいですの



2人は黒子の家に続く道を行く
片方の手にはお互いの手を握りしめて
御坂美琴
御坂美琴
((そろそろ、こういうことは恋人同士でしかやらないってことを教えないとかしら))
そう。この2人は付き合ってる訳では無い

お嬢様である白井黒子と極平凡な御坂美琴が出会ったのはもう何年も前のこと。その時から長年の月を得て黒子は美琴に非常に懐いてしまった。夜中に怖い夢を見た時などは美琴が居なければ寝れない程に懐いてしまったのだ。

美琴もそんな黒子を妹として見ていた。そう。仮にも見ていただ。美琴は自覚してしまった。今自分は白井黒子が好きなのだと。だから不意にやる黒子の恋人達の行動にドキドキさせられてる。決して顔には出さないが……

黒子は美琴を姉としか見ていないのだろうが、血は繋がっていない。だから周りから誤解を招く可能性は大だ。美琴としては黒子に変な虫が付かず好都合だが、このままではもし仮に黒子の婚約者が居たとしたら美琴の、命の危機だ。

そんな事を考えていたら、直ぐに黒子の家に着いた。3mはあるであろう鉄の壁。黒子を閉じ込める檻。みことはいつしかこの家の事をそう呼んでいた。
白井黒子
白井黒子
美琴……さん。今日は泊まっていきませんの?
御坂美琴
御坂美琴
うん。昨日も一昨日も大丈夫だったし、1度帰ろうかな
白井黒子
白井黒子
そう……ですの
先度、黒子は悪夢を見ると美琴が居なければ寝れないと話したが、それには理由がある。

それは黒子の母・白井紫愛が黒子が5歳の時に亡くなった事がきっかけである。

その時から悪夢を見続け、最近やっと美琴のおかげでそれが治ってきた所だ。だから何日かに一変美琴は家に帰っている
まぁ。本当に数日に1回だけだ
御坂美琴
御坂美琴
そんな顔しないの。明日また一緒に登校しましょ?
白井黒子
白井黒子
美琴さんが居ないと不安ですの
御坂美琴
御坂美琴
もし、仮に悪夢を見ても駆けつけてあげるわよ
白井黒子
白井黒子
きょ、今日
御坂美琴
御坂美琴
ん?
白井黒子
白井黒子
いえ、なんでも……ありませんの
御坂美琴
御坂美琴
そ。
白井黒子
白井黒子
……
御坂美琴
御坂美琴
そんな。泣きそうな顔しないの
白井黒子
白井黒子
だっでぇ
御坂美琴
御坂美琴
夕食だけご馳走になって黒子を寝かしつけてから、帰るわよ
白井黒子
白井黒子
ホントですの?
御坂美琴
御坂美琴
ほんと。
御坂美琴
御坂美琴
だけどあげたでしょ?
御坂美琴
御坂美琴
私のキグルマー
白井黒子
白井黒子
もう。美琴さんの匂いしませんの
白井黒子
白井黒子
それに、私人形を抱いて落ち着くような歳じゃありませんの
御坂美琴
御坂美琴
人の温もりを感じないと寝付けない歳でも無いでしょ
白井黒子
白井黒子
だからっ!それは美琴さんだから……
白井黒子
白井黒子
美琴さん……じゃないと……意味ありませんの
御坂美琴
御坂美琴
分かってるわよ
白井黒子
白井黒子
意地悪ですの
御坂美琴
御坂美琴
そうね。ごめんね
御坂美琴
御坂美琴
さっ。立ち話もなんだし、入りましょ
白井黒子
白井黒子
……はい

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