第23話

不思議~国見目線~
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2019/07/31 18:17
トントンッ
俺のデスクを叩かれ、顔を上げると。
岩泉 一
お疲れ様。
国見 英
!…岩泉さん。
横に微糖の缶珈琲を置いてくれる。
岩泉 一
もう終わりそうじゃねぇか。
国見 英
あ、明後日までなんで今日はもう帰ろうかと。
岩泉 一
そうか、お疲れ。
俺はクソ川校内にいるから探してくるわ。
国見 英
岩泉さんもお疲れです。
岩泉 一
おう。
俺は書類を片付け、帰り道を歩いていた。
音楽を聴きながら少し紅い空を見ていた。
ふと目に入った。
…え?
…猫山と………
…角名先生?
俺は咄嗟に角に隠れてしまった。
何で抱き合ってた?
え?好きなのかよ。
何だよこのモヤモヤは。
なんか…イライラする。
もう一度見たところで、何もなかった。


もうそこには誰もいない。
家に…入ったのかよ。
付き合ってたり…すんのかな。
いや、俺には関係ないこと。


帰ろ。


次の日とか、何故かアイツに会う度目を逸らしてしまった。
俺にもよく分からない。何故かムシャクシャする。
数日経って、猫山に言われて気付いた。
俺…引かれたなぁ…感じ…悪かったよなぁ…
ちょっとショック。
あ、まぁ…友達…みたいなもんだし。
その次の日。
松川 一静
授業お疲れ~慣れた?
国見 英
…ウス。まぁなんか俺んとき静かなんで。
松川 一静
その現象は俺も良くわかんねぇ。
国見 英
俺もです(笑)
松川 一静
あ、そういえば国見。
国見 英
はい?
松川 一静
お前彼女とかいねーの?
国見 英
彼女なんていないっすよ。
松川 一静
じゃあ、好きな人は?
松川さんは少し好きな人というのを強調して言う。
国見 英
……
響く声も、


美しい黒髪も、


華奢で綺麗な、


高い身長も、


俺に見せてくれる笑顔も。



俺は一人だけ浮かぶ人物がいたんだ。


国見 英
…いません。
松川 一静
ふぅーーーーーん。
国見 英
な、なんスか?
黒尾 鉄朗
嘘はいけないなぁ国見くん。
やべ、めんどくさい人来た。
国見 英
嘘とは?
黒尾 鉄朗
猫山チャンだろ?
す、鋭い…。
国見 英
さぁ…分からないっす。
天童 覚
何々なんの話ぃ?
めんどくさい人達だ、逃げたい。


早く逃げたい。
黒尾 鉄朗
恋愛ぃ。
天童 覚
おぉ!塩キャラメルくんにもついに!
国見 英
国見です。
黒尾 鉄朗
こぉいねぇー。
国見 英
そういう黒尾さんは谷地さんとどうなんですか。
天童 覚
エッ!トサカくんそなの!?
黒尾 鉄朗
ばっ!ちげーよ!
松川 一静
サームラくんに言っとこ(笑)
黒尾 鉄朗
それだけは。(謝罪)
国見 英
はぁ…
黒尾 鉄朗
まぁ…好きな人には思い伝えるべきだと俺は思う!
天童 覚
それ君が言うー?
黒尾 鉄朗
っせ!
松川 一静
(笑)(笑)(笑)
思いを伝えたら


今が変わりそうで怖い。


もし、フラれたら。


もし、嫌われたら。


俺はきっと立ち直れない。
天童 覚
あ、でもクニミくん。
もし嫌われたら!なんて考えたら終わりだからね?
国見 英
……ありがとうございます。
じゃ、お疲れ様でした。




もし、嫌われたら?



そうだ。


きっと俺は後悔するから。


告白してフラれるより、


このまま時が過ぎて、


アイツが誰かと一緒にいる方が、


何倍もきっと後悔する。





あいつに。





告白してやろうじゃねぇか。

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