そしてスーパーまで送ってもらった。
私は頭を下げてすぐ手を振る。
彼らが曲がった所で私はスーパーへ。
あ、どうしようかな…簡単なお粥は作るとして、
角名さん、チューペットいるかな?
一応買っといてあげよう。
あとはウイダーと…スポーツ飲料とか…
と、私は簡単に買い、スーパーを後にした。
住宅街で、色んな屋根があるけど、
別にそこに青が一つあっただけで目立ってはいなかった。
まだ買ったばっか…みたいな綺麗な家だった。
表札は角名と書いてあったし、
「ピーンポーン」
と、押してみた。
…え。遅くね?大丈夫かよ。
ぶっ倒れてんの?
と、私が少し踏み出した瞬間、
ガチャ
角名さんは、ジャージ姿で、おでこに冷えピタを貼っていた。
でも少し頬が赤くて、やっぱり熱なんだろうなって感じた。
と、言うと私に抱きつく様に倒れてきた。
私は軽く角名先生を引きずる形で角名先生の部屋を発見し、ベッドに寝かせる。
少し警戒しながら角名先生のおでこを触ると
角名先生は辛そうに頷いた。
私は、玄関に置きっぱだった買い物の袋を取って
リビングへのドアを開けた。
綺麗なキッチン、広いリビング、大きなテレビとソファー。
はっ!とそんなこと考えてる暇は無かった。
とりあえずお粥作ろう。
一応こういうの作るのは慣れてる。
と、私は慣れた手付きでお粥を完成させた。
この時あなたは知らなかった。
あの抱きつかれた瞬間を誰かが見ていたことを。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!