「茜。今度さ、ダブルデート行かない?」
波奈がニコッと笑った。波奈の笑顔を見るたびに、かわいいなぁ、と思う。
「ダブルデート? 私は良いよ。波奈の彼氏まだ教えてもらってないから気になる!」
「OK。結城くんは大丈夫かな?」
「たぶん大丈夫だと思うけど聞いてみるね」
私はスマホを取り出した。そして通話アプリを起動させ、彼のアイコンをタップする。
「もしもし? 颯太? あのさ、波奈が今度ダブルデート行かないって言ってるけど良い?」
「ん~、おれは良いよ、全然。一応聞くけど、波奈ちゃんたちは大丈夫なんだよね? ほら、いろいろあったから……」
彼の優しさが垣間見えた。そういうところがあるからモテるんだと思う。
「うん、波奈から誘ってくれたから大丈夫だよ。じゃあまたね」
「またね!」
「良いって」
「ん、了解。また日時決まったら連絡するね」
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最後までお読みいただき、ありがとうございます✨
今回はチャプターを二つに分けて書こうと思っております。従って、次回のチャプターもダブルデートに関するものです🌸
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。