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第1話

暗殺教室
3,190
2020/06/07 08:09
YOU
YOU
さようなら、殺せんせー。
殺せんせー
殺せんせー
はい、さようなら。
私たちの最後の会話を見届けて、
渚は先生の方を向き直す
余計な言葉は、もう口に出さなかった
感謝、惜別。
全ての気持ちを、魂を込めて
私達は先生の触手を握り直す
そして、全身で礼をするように
渚はナイフを差し出した
殺せんせー
殺せんせー
『卒業おめでとう』
最後にそう言った気がした
殺せんせーの全身が眩しく、優しく弾けた
光の粒子になって
私たちの手から


________消えていった。
潮田渚
潮田渚
ひっく…ひぐっ…
潮田渚
潮田渚
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
YOU
YOU
ふぇっ、うわあああああああ!
あああああああああああ
そこら中からみんなの泣き声がする
まもなく12時
椚ヶ丘中学校卒業の日
一足先に私達は…
暗殺教室を卒業した









殺せんせーの面影を探して教室に戻ると
全員分の卒業証書と卒業アルバム
それと、生徒それぞれへの


アドバイスブックが置いてあった
私の分のアドバイスブックには、こう書かれていた
殺せんせー
殺せんせー
『あなたさんは、何があってもおごることの無い、素直で暖かな心を持っています。
きっとあなたは、素敵な教師になって誰かを導いてあげられるはずです。
先生はこれからも、変わらないあなたでいてほしい。そう願っています。』
殺せんせー
殺せんせー
『時に、泣きたくなること、辛いことがあっても。
きっとあなたの向かう先には、たくさんの光が待っていることでしょう。』
そのうちに泣きつかれて眠ってしまった。


早朝起きて外を見ると、
早咲きの桜が、小さく強く揺れていた

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