私たちの最後の会話を見届けて、
渚は先生の方を向き直す
余計な言葉は、もう口に出さなかった
感謝、惜別。
全ての気持ちを、魂を込めて
私達は先生の触手を握り直す
そして、全身で礼をするように
渚はナイフを差し出した
最後にそう言った気がした
殺せんせーの全身が眩しく、優しく弾けた
光の粒子になって
私たちの手から
________消えていった。
あああああああああああ
そこら中からみんなの泣き声がする
まもなく12時
椚ヶ丘中学校卒業の日
一足先に私達は…
暗殺教室を卒業した
殺せんせーの面影を探して教室に戻ると
全員分の卒業証書と卒業アルバム
それと、生徒それぞれへの
アドバイスブックが置いてあった
私の分のアドバイスブックには、こう書かれていた
そのうちに泣きつかれて眠ってしまった。
早朝起きて外を見ると、
早咲きの桜が、小さく強く揺れていた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!