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第21話

何が言いたいんですか…?
小林椛乃こばやしにの
はぁ…はぁ…
手を引かれて長いこと走ったように思う。

気づいたら旧校舎の“あの”空き部屋にいた。
柊木春樹ひいらぎはるき
…ごめん
息がまだ荒い椛乃とは裏腹に息切れどころかいつも通りの先輩にギョッとしてしまう。

先輩、それは何に対しての『ごめん』?

ここまで連れてきて“ごめん”?

それともお前のことなんか好きじゃないという“ごめん”?

ねぇ、何に対してなの…?

先輩が椛乃の肩に手を置き、目を合わせてくる。

なんで、そんなに熱い視線を向けるの?

いたたまれなくて目を咄嗟に逸らした。
柊木春樹ひいらぎはるき
お前にはもう彼氏がいるってわかってる
…うん?

“彼氏”…?

あ、椛乃、先輩の前で雪翔くんが彼氏だって言っちゃってたっけ…。
柊木春樹ひいらぎはるき
だけど俺にもチャンスをくれないか?
なんのチャンス…?

話がまったく見えない。
柊木春樹ひいらぎはるき
次は俺が追いかけるから
ねぇ、“追いかける”ってなに?

なんだか自分が惨めで涙で視界が滲む。
小林椛乃こばやしにの
…っ!!
次の先輩の言葉に椛乃は息を呑んだ。



──『俺は、お前が好きだ、椛乃』