慌てたように出ていく莉奈を呆気に取られてみていると姉さんがぼそっとつぶやいた。
図星であまり強く言い返せない。
わかってんだよ、俺だって。
莉奈に彼氏ができるのは時間の問題だって。
莉奈は透き通るような白い肌に二重のパッチリとした大きな瞳は茶色がかっていていわゆるハーフ顔だ。
チャームポイントである胸元まであるミルクティーベージュのキレイな髪はふんわりと巻いてあって西洋人形を連想させる。
小さなぷるんとした唇は誘っているのかと思わざるを得ない。
笑ったときにふわっと緩む唇が本当に可愛い。
見た目だけではなく性格もとてもいいためモテるに違いない。
あんたが莉奈ちゃんと違う高校にするって言ったとき、何言ってんの、こいつって思ったもん、と姉さんが俺に言ってくる。
クソっ…。
恥ずかしすぎて俺はそう言い捨てると姉さんから背を向けて部屋までダッシュした。
やっべぇ…。
俺、ダサすぎるだろ…。
告白すればいいってわかってんだけど、今の関係が壊れるのは正直怖い。
今の関係なら話すことができるのに、もし告白してふられたら、このことさえできなくなる。
俺はそれが怖い。
莉奈が好き、それだけなのにな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!