12/31 21:30
ふつうの皆さんは
家で紅白とか、笑ってはいけない … は
今年ないのか …
まぁ、みんなさんは大晦日楽しんでるでしょう
俺?俺はねー
湊とのんびりこたつにはいって
ぼぉっと紅白みたり
トランプしたり
ゲームしたり
してる
はずなのに!!!!
野郎二人で年越しとか
絶対に嫌だ、死んでもやだ
0:00までには家に帰る
23:48 、
なにもしゃべらずに
黙々とパソコンのキーを叩く
こと数時間後
早口で話し
階段を駆け降り、ロビーを駆け抜ける
湊 side
「 〜〜さんです!! 」
『 〜〜 ♪♪ 』
特に見たい人がいない紅白を
眺めつつ、LINEを開く
兄さんはといえば
仕事納めはしてるのに、
残ってる仕事があると言われて
慌てて出て行った
もしかしたら帰ってくるかも
という期待をこめて
また見たい人もいない紅白に目を向ける
23:40ごろ、
もう帰ってこないだろうなぁと
思い寝っ転がる
ピーンポーン
インターホンの音がする
お隣さんが屋上の鍵を借りてきたと思い
鍵を手にドアを開ける
なにかが俺に覆い被さってくるように
ぎゅっと優しく、あつく、ハグをされた
ふわっと大好きな香りがして
大好きな人の声が聞こえた
背後で、
花火が散っていく音がした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。